41.吉と凶 ページ1
『貴様はそんなちっぽけな罪ではない』
『――――〈
私を下に見て、十戒〈敬神〉のゼルドリスという男は言った。
当たり前のように。知らない私を小馬鹿にするかのように。
…実際、聞き覚えがないのだけれど。
明らかに動揺してるだろう私だけど、それでも平静を装って問いかけた。
「君は、私の何を知ってるの…私はそんな罪知らないよ…っ」
本当に知らない。夢でも聞いた方がない。
メリオダスも、何も言っていないのだから。
だけど、彼の目を見ると、それは嘘ではないのだとわかった。でもあえて尋ねたのだ。
気が済まなかったから。
ゼルドリスは余裕の笑みを浮かべて言った。
それは、答えとは程遠いものだった。
「メリオダスから何も聞いていないんだな。お前も愚かなものだ。何度も奴に騙されているのだから」
その言葉に、私は珍しくもなく頭にきた。
そうして誰もいないのをいい事に、大声で返した。
「愚かってなにさ！私馬鹿だけど、そこまでじゃないよ！メリオダスの事知らないのに勝手な事言わないで！私は騙されてなんかない！！」
硬い地面に私の声が虚しく響いた。
久々にたくさん叫んで息が上がる。肩を上下させて落ち着くように努力した。
確かに心の中で愚かとか、思ったことはある。けれど、赤の他人から言われると腹がたつ。
大事な人を悪く言われるとなおさらだ。
メリオダスに騙されているなんて信じない。
だってずっと……ずっと近くにいてくれたから。
『好きだ』って、『守る』って。
私に言ってくれたから。
「……っはは」
ゼルドリスは必死な私を見てか、私の言葉を聞いてかわからない。
一瞬驚きの表情を見せると、すぐに乾いた笑みを浮かべた。
「『何も知らない』？違うな。俺は奴の事をよく知っている」
「な、なにが…！」
「俺は、メリオダスの弟なのだから」
「………へっ？」
間抜けな声が口から漏れた。だけど不思議と驚きが出ない。
彼の顔とメリオダスを重ねれば、なんとなく察しがついたからだろうか。
そういうことにしておこう。
ゼルドリスは次は普通におかしそうに笑った。たぶん私のアホ面が原因だろう。
「だから、先程言った大半の事は真実だ。奴が言わなかっただけでな」
私の全く知らなかった記憶が次々と明らかになる。
それが吉と出るのか凶と出るのか。
彼曰く、愚かな私はまた知らない。
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リオ(プロフ) - ウォンさん» お久しぶりー！ありがとうね〜！！ (2020年7月9日 21時) (
レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - りおちゃん！！、！久しぶり！！私もまだ生きてます！応援してるね！！ (2020年7月9日 11時) (レス) id: 76603ce61b (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 瑞樹さん» ゆっくりですけど、また書けていけたらいいなと思います。 (2020年7月9日 7時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - まさかまた戻ったきてくれたなんて………！これからも応援してます！ (2020年7月8日 21時) (レス) id: fb3dbf3e6d (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - みかやしさん» ありがとうございます。本当にもう、気長に待っていてください… (2020年7月8日 20時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rio1001/
作成日時：2018年7月6日 15時
