王子様とわたし。 (ページ29)

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29 Nozomu side. ページ29

｢あっ、あかんわ、教科書忘れた｣

｢くだらないこと言ってるからだよ！｣

｢いや、ほんまくだらなくないからな？
俺はお前を疑ってかかっとるからな？｣

｢何を疑うっていうの｣

あかん、余計なこと言った。
笑えん冗談はやめてくれ。

｢数学やったらのんちゃんのクラスも今日あるんちゃう？｣

神ちゃんナイス！
ほんまボロださんようにせんとシゲ怖い。

｢そうか、ほな皆で借りいこ｣

｢え、なんで私まで？｣

｢なんだかんだでいつも着いてくるやん。
小瀧のことめちゃくちゃ睨みながら｣

あいつほんまに俺のこと嫌いなんやな。
ここまで共通認識とかよっぽどやぞ。
神ちゃんもよう俺に恋愛相談してたな。

7組まで歩いて行くと、
ちょうどAが教室に入ろうとしてるところだった。

なんとなくこちらを向いた瞬間、
俺らに気づいて一気に顔が輝く。

｢わぁぁ！神ちゃん！！シゲー！！
会いたかったよぉ！！！おはよう！！！｣

両手をぶんぶん振りながら駆け寄ってくる。

アホかこいつ！！！！！
久しぶりに再開した時の女子のテンションやめろ！！！