王子様とわたし。 (ページ39)

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｢そういうわけだからさ、
あんたの負担多少は減らそうと思ったんだけど
普通に無理だった｣

放課後。

中庭のベンチに2人で座りながら
飲み終わったいちごミルクの紙パックを
くしゃっと握り締める。

誰かに2人でいるところを見られたらめんどくさいけれど、
これから毎日お互いの家を行き来するのも親に怪しまれるから
なるべく人目のつかない中庭の1番端っこのベンチに集合することになった。

屋上でいいじゃんと言ったら
グラウンドから見られたら終わりだから
放課後はここが1番安全らしい。

たしかにこんなとこにベンチあったんだって感じ。

そして、私が昼休み終わりの出来事を話すと、
望がピタッと動きを止めた。

｢え、なんなの？｣

｢いや、Aが俺のためになんかしようとしてくれたとか逆に怖いから悪いこと起こるんちゃうかなって｣

こいつは真顔でそんなことを言いやがる。

｢はぁ？失礼なやつだな！｣

でも、たしかに。
言われてみればそうだ。

いつ戻れるかわからないけれど、
私が元に戻ったらこいつが女の子に囲まれて苦労しようがそんなのどうだっていいのに。

あ、わかった！あれだ。
実はめんどくさいとか言ってたから
じゃあ大変ならどうにかしようかなってちょっと親切心みたいな？そんな風に思っただけで･･･

あれ？別にそんなこと、こいつのためにする必要ないよね？

ん？私何やってんだ？あ？