□君距離、09■ ページ9
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私が笑うとお兄ちゃんは
隆「な、な、なに笑ってんだよ！」
といじけたような表情をして私にそう言った。
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そんな表情にも可愛いなんて思っちゃう私は…本当におかしい。
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そして、タイミングよく体温計が鳴って
見ると「36.6」と表示されていた。
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隆「ないじゃん」
「ないよ？」
隆「壊れてるんじゃね？この体温計」
「…壊れてないよ」
そういうと渋々お兄ちゃんは体温計を引き出しの中にしまった。
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「戻ろうよ」
隆「え？あ…うん」
そう言って保健室を出た。
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保健室を出て少しすると
隆「良かった」
そうお兄ちゃんが言った。
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「なにが…？」
隆「いや…？」
そうやってはぐらかすから、体調のことだと思って
「元気だって言ったでしょ？心配性なんだから！」
と笑ってそういうと
隆「ちげぇよ」
とお兄ちゃんがぶっきらぼうに呟いた。
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「えっ？」
私は思わず歩く足が止まった。
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隆「…、直人さんと付き合ってなくて良かった、っていう意味」
……なによそれ…
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「な、なんで…」
隆「別に、理由もねぇよ」
そう言ってお兄ちゃんは足早に廊下を歩き始めた。
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だけど、私はお兄ちゃんの背中を見つめることしかできなかった。
……なんで？
お兄ちゃんは片岡先輩が嫌いなの…？
…そんなわけない、尊敬してるって言ってたし…
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じゃあどうして…？
どうして、私が片岡先輩と付き合ってなくて良かったっていうの？
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作者名：SKちゃん | 作成日時：2014年10月27日 0時
