□君距離、28■ ページ28
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「……、」
『…A？』
「あぁ、ユリ、ごめん…なんだっけ？」
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結局、あの空き教室には先生が来ちゃって
自分たちの教室に戻ることになってしまった。
もちろん…お兄ちゃんとは言葉も交わさないまま。
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ただ、お兄ちゃんはそのまま屋上に行ってしまった。
そして、目の前のユリはさっきと明らかに違う。
すごく…嬉しそう。
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「ねぇ、ユリなんかあった？」
『へっ、…な、なんにもないよ？』
「そう…？」
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気のせい…か、
『…じゃあ私帰るね？生徒会、頑張ってね！』
「う、うん…ありがとう」
ユリは…すごく幸せそうな顔をして教室を出ていった。
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このとき、胸騒ぎがしていたのは
たぶん…気のせい。
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ユリが教室を出て10分。
いつの間にか、教室には私しか居なかった。
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生徒会室…行かなきゃ。
そう思い、窓の外を見ながら立ち上がった。
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「えっ…？」
このとき、立たなければ良かったって思った。
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だって、窓の外には
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仲良さそうに笑いながら
歩いている
お兄ちゃんとユリが居たから……、
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作者名：SKちゃん | 作成日時：2014年10月27日 0時
