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楼上にアプローチ、花咲いて/sgi ページ28

*

「あ、須貝さん!見てください〜」

すげえドヤ顔でクイズアプリの画面を見せてきたりとか。

「ちょっと聞いてください…」

落ち込むようなことがあったらすぐ俺のところに来たり。その…なんだ、Aさんは慕ってくれてると思うんだよね。

7歳も年下の彼女にとって、きっと俺はお兄ちゃんみたいな感じなんだろうな。末っ子で、甘え上手で、俺からしても可愛い後輩だ。

「でもなぁ…」

彼女が俺に持ってる感情はたぶん親愛。だけど俺が彼女に対して持ってる感情は『恋愛』なのだ。そもそも俺のタイプの顔だというのに、慕ってくれてるとなれば好きにならない理由はない。

仲はそれなりにいいと思ってるし、2人きりで会ったりもする。それなのに事が進まないのは、まあ俺が彼女にとって、『恋愛対象外』だから。大方年上すぎるんだろうなあ、なんて思っていた。

「じゃあもっとアプローチするしかないんじゃないですか?」

だのに、こうちゃんがさらりと言ってのけた。さも当然、みたいな顔をしているが、何が『じゃあ』なのか全くわからん。

「意識してもらうためにはアタックしなきゃ」

そしたらきっと変わりますよ。6つも年下で、Aさんと年の近いこうちゃんがそう言うのならそうなのかもしれん。

「…やってみるかあ」

ぱし、と頬を叩いて気合いを入れる。何はともあれ論より証拠、実証だ。

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作者名:エリッサ | 作成日時:2021年1月7日 19時

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