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パフェをつつく河村さんがふと手を止めた。
「なんで趣味隠してるの？別に変じゃないのに」
「ついに核心に迫りますか」
「嫌ならいい」
まぁ話して困るようなことじゃないし、いいか。
「中学、高校と運動部だったんですよ」
そう、中学からずっと陸上部だった私は、そもそも休日に私服で出かけることが少なかった。それなりに強い陸上部で、練習が多かったのが一因だと思う。
友達はいたし、部活のみんなでご飯を食べに行くことくらいはあったけれど、それだけだった。
東大を目指していたのもあって休日は専ら勉強していた。部活を引退した頃にはもう受験勉強真っ盛りだったから、高校生活で遊びに行った記憶はあまりない。
そして受験が終わったときに姉の部屋で雑誌を読んだのが始まりだった。
初めて買った女の子らしい流行りの服を着て高校の友達に会った時、
『Aらしくなーい』
なんて言われて、すっかり人前で着る気をなくしてしまったのだ。
でも、それだけ。今思えばそんなに気にするようなことではないのに、あのときはわりと落ち込むようなことだった。
「______それで、なんとなくひとりの時だけにしてるんです、」
真面目に話したのに、ふーん、と河村さんは窓の外を見ていた。聞いてきたのに話聞いてないの？？
「意外と可愛い理由だね」
…この人は可愛いの定義を間違えてるんじゃないだろうか。
「僕は似合ってていいと思うけど」
思わずコーヒーカップにかけた手が止まった。胸が固まる。
え、っ？あの、普段私をからかうことしかしない河村さんが？私を褒めた…？
「そんなことない、ですよ」
素直にさらっと言われると、なんだか恥ずかしくて思うように話せない。
「ひねくれてないで素直に受け取りなよ」
「河村さんはペテン師なので…」
本当にAは僕のこと信用してないなあ、と笑う河村さんは、ほんのちょっとだけいつもよりかっこよく見えた。ほんとに1mmだけ。
「まぁ誰もお世辞じゃないとは言ってないしね」
前言撤回、そんなことない。せっかく素直に喜ぼうとしてたのに、余計な一言ですぐ台無しにしちゃうんだから、やっぱり河村さんはかっこよくない。
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エリッサ(プロフ) - ぷいさん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございます〜！ (2020年4月28日 19時) (
レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
ぷい(プロフ) - 河村さん推しなのでめちゃくちゃ好きなお話でした(T_T)ありがとうございました(T_T) (2020年4月27日 3時) (レス) id: 791f8d2470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリッサ | 作成日時：2020年4月12日 21時
