19(彼の思惑) ページ22
side kwmr
Aをからかうのは、ただのきっかけに過ぎなかった。彼女の少女趣味を知って、これ幸いと飛びついただけだった。
Aのことが好きなのに理由も、きっかけもなかった。ただ気づいたときには好きだと思っていた。彼女のすべてが愛おしかった。
でも僕は女性を落とすようなテクニックも知識も持っていなかったから、正直とても悩んだ。
短期決戦なんてのが向いていないのは分かっていた。だからゆっくりじっくり、彼女の気持ちが僕に向くように綿密に計画を練った。
好きな子はからかいたくなるから、からかえば僕のことを気にするだろう。最初から好意を持ってくれなくてもいい。
軽口を叩けるようになったら、少しずつ食事に誘ったりデートしたりする。計画したときはここが難関だと思ったけれど、まあちょうどいい口実が出来たから簡単だった。
水族館、なんてカップルしか行かないようなところに行けば、否が応でも僕をそういう対象として意識すると踏んでいた。
Aは予想以上の働きをしてくれた。どうやら僕は人を利用するのが上手いらしい。僕のこと好きかどうかを聞いてくれと川上に頼んだのも僕。たぶんこれがトドメだったと思う。Aが挙動不審なのを見て確信した。
僕しか知らないAの少女趣味という魅力。可愛い可愛い彼女の行動は、ぜーんぶ僕の手のひらの上だった。
「やっと気づいたか」
僕の計画には気づかなくていいけれど、ね。
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サボテンの花言葉は『秘めた熱意』
隠した熱意(計画)には気づかせない河村さんでした。
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エリッサ(プロフ) - ぷいさん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございます〜! (2020年4月28日 19時) (レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
ぷい(プロフ) - 河村さん推しなのでめちゃくちゃ好きなお話でした(T_T)ありがとうございました(T_T) (2020年4月27日 3時) (レス) id: 791f8d2470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリッサ | 作成日時:2020年4月12日 21時