Call the Knight (ページ6)

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あの日はどうやって帰ったかも覚えてない。

でも気付いたら真っ暗な自分な部屋で蹲っていた。

しばらくしたら家のチャイムが鳴って
インターホンを覗くとそまさんがいた。

そ｢ごめんね、急に押しかけちゃって｣

『いえ…』

そ｢ゆきむらと何かあった？｣

『……私のただの八つ当たりと言うか…』

そ｢話せるとこまででもいいから何があったか教えてくれる？｣

私の頭を撫でながらそう聞くそまさん。

それがいつも私が泣いた時に慰めてくれた
歳の離れた姉に重なって…思ってることを全て話した。

そ｢そっか、話してくれてありがとう！｣

楽しい話でもない、
ただ聞いてても気が重くなりそうな話なのに
そまさんは相槌を打ちながら最後まで聞いてくれた。

そ｢…ゆきむも昔はいじめられてたんだよね｣

『え…？』

そ｢今でこそアイツあんな感じだけどさ、
　昔はいじめられた過去もあれば家庭環境も複雑で
　…沢山泣いて悔しい思いしてんだよ｣

『…』

そ｢多分今のAがその時の自分に重なって
　自分と同じ思いをしてほしくなかっただけだと思うよ｣

『…私何も知らなかった』

ゆきむのこと見てるつもりで何も見えてない。

自分のことばっかりで…

結局自分を守るためにただゆきむを傷つけてたんだ。

そ｢まぁ、アイツも言いすぎたって反省してるよ｣

『……私ずっと不安だった』

そ｢…｣

『みんなと違って私には誇れるものも何もないから
　6人との差がどんどん開いて行く感じがして…』

そ｢そんなことないよ｣

『…私…騎士Aにいてもいいのかな』

そ｢本当は内緒にしてくれって言われてたんだけどさ…｣

そまさんから初めて聞かされた。

私が騎士Aに入るまでの経緯。

そ｢それを聞いてもまだ自信持てない？｣

『…ｯｯ』

そ｢今すぐにアンチを無くすことなんて不可能だけどさ
　アンチしてる奴らなんて俺達で後悔させてやろうよ｣

『…うん』

そ｢Aには俺らがついてるし、
　例えば周りみんなが敵になったとしても俺ら6人は
　ずっとAの味方だし、絶対守るから｣

ずっと誰かの後をついて行くばかりの人生で
初めて“ゆきむら”に憧れて自ら選んだ道。

でも結局は“ゆきむら”の後を追ってるだけだと
気付かされて何度も挫折しかけた。

でも今は違う。

『明日、ちゃんとゆきむと話すね！』

もう泣いてばかりの人生は終わり。

これからは自分の足で、
自分の選んだ道を進んでいこう。