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ゆ｢そんなに怖いなら無理に開けなくていいじゃん｣
『やだ、開ける！』
し｢じゃあAが頑張ったらご褒美あげる｣
そう言えば目を輝かせて
“本当？！”と聞いてくるA。
し｢頑張ったらね｣
『ゆきむ開けて！』
ゆ｢絶対動くなよ｣
Aの耳を再び氷で冷やしながら言い聞かせるゆきむ。
何かもわかんないご褒美に期待して覚悟を決めたものの
不安は拭えないらしく物凄い不安そう。
『しゆちゃんは開けた時痛かった？』
し｢痛すぎてこの世の終わりかと思った｣
『…』
ゆ｢だから余計なこと言うなって｣
冗談で言っただけなのに本気で捉えたAは
顔を真っ青にしている。
『しゆちゃ…』
し｢ん？｣
『手…握ってて』
目に涙を溜めながらお願いするAに
流石に脅しすぎたかと反省しながら手を握る。
ゆ｢じゃあ行くよ｣
『待って！ちゃんと10秒カウントして！』
ゆ｢めんどくせぇな｣
『カウントして！』
ゆ｢10…9……8…｣
俺に手を繋いで、
目をギュッと閉じているA。
周りが見えてないことにゆきむはニヤッと
悪い顔で笑ったと思ったら残り5秒で
__バチンッ
躊躇なく開けた。
『痛ｯｯｯ』
ゆ｢ん、開いた｣
『まだカウント途中だった！』
ゆ｢いいじゃん、ちゃんと開いたんだから｣
半泣きになりながら訴えるAから逃げるように
さっさと退散するゆきむ。
俺に抱きつきながらグズグズするAの頭を
気が済むまで撫でてやる。
『しゆちゃ…』
し｢ん？｣
『…ご褒美は？』
こんな状況でもしっかりご褒美のことは
覚えているAにカバンから例の箱を取り出す。
『あれ、これって…』
見覚えのあるブランドの袋に
不思議そうに中を覗く。
『え、可愛い！それにこれ私のカラー！』
し｢ちなみにお揃い｣
そう言ってつけてるピアスを見せると
嬉しそうにピアスの入った箱を抱きしめる。
『めちゃくちゃ大事にする！』
その数ヶ月後、
ようやくピアスホールが安定した頃
『見て、しゆちゃんとお揃い！』
ば｢よかったじゃん｣
『見てみて、しゆちゃんとお揃い！』
て｢可愛い！｣
『これねしゆちゃんとお揃いなんだよ！』
ま｢似合ってる！｣
『しゆちゃんがお揃いプレゼントしてくれた！』
そ｢じゃあ今度は俺ともお揃いしようね｣
『見て、これ…』
ゆ｢しゆんとお揃いだろ、何回も聞いた！！！｣
メンバーに自慢して回っているAの姿が
暫く目撃された。
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作者名：SHiYuRiSu | 作成日時：2022年4月15日 18時
