15冊目 ページ16
そこからは長かった。
縄文時代から始まり、ライト兄弟の話、人類最初の月面着陸、ロボット開発からのAI
千空「まぁ、大和はまた違うジャンルの進化だがな」
クロム「なぁ、教えてくれぇ!!」
さっきまで警戒心むき出しの猫みたいだったのにキラキラした目で見てくる
『芸術関係ならいいけど...』
俺は世界の歴史と共に進化していった芸術について話していった
もちろん本のことも
柄にもなく少し話しすぎたと思い話を終わらせようと目を開いてみると
クロムが号泣していた
千空「何で行きなりガン泣きなんだよ」
『マンガでも見たことねぇよ』
クロム「泣いてねぇよ!!いや、くっそ泣いてる!!」
「誰だよその石化の犯人はよぉ!」
「悔しいじゃねぇかよ先輩人類たちが何百年もかけてジワジワ作ってきた」
「そんなやべーもんが!」
「そんなヤベー科学文明が‼ヤベー芸術文明が‼」
「一瞬であっさり全部消されちまったのが悔しくてしょうがねぇんだよ...!!」
なぜそんなに泣けるのだろうか
なぜそんなに先人たちの気持ちをくめるのだろうか
作家のなかにはモデルとして先人を扱うことがある。
もちろん歴史には諸説がたくさんある
どれが真実でどれが虚実か
作家の片隅にいる俺には
72億人のなかの一人の俺にはわからない
けれど俺たちのその想像に過ぎないことがもしかしたら真実かもしれない
少なくとも彼は本物のバカだと言うことだけがわかった
俺らの先輩の技術はあっさり“消えて”なんかいない
千空「人類の200万年は今、全部」
「『俺のここにある』」
二人で頭を指す
クロムは面を食らったような顔をした
千空「そしてテメーのここにもだ」
「違うのかよ...!」
クロム「違わねーよ!決まってんじゃねーか!」
「俺も一緒に科学の国を興す!そんで、ルリの病気をぶったおしてやるぜ!」
そう意気込むクロムを見て俺は微笑を浮かべた
するとクロムは心を決めたようにこちらを見た
クロム「なぁ、大和」
『どうしたの?クロムクン』
作り笑いを浮かべてクロムの顔を見る
まぶしい純粋無垢の瞳に目を会わせ続けるのはきついものがある
クロム「お前。なんか変だ」
『それってどういうこと?』
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作者名:けふ(きょー) | 作成日時:2021年3月30日 18時