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〈森本〉
「私の高校からの友人、かつ北斗と同じ学科の保住果歩」
果歩…？なーんか聞いた事あるけどなんだったっけ…
「俺の高校からの友達、かつAと同じ学部の森本慎太郎」
急な他己紹介に慌てて頭を下げる。
「ああ！森本くん！2人の数少ない友達の森本くんだ！」
「俺知られてる！？」
隣と正面を交互に見ればどっちも苦笑い。
「北斗に初めて会った時にたろちゃんの話題で何とか話せたの。その節はお世話になりました」
「おかげさまで我々に知った顔が1人増えました」
2人揃って俺にぺこっと頭を下げる。
「あー！果歩ちゃんがAに北斗紹介したんだ、なるほどね」
「この2人は絶対話合うだろうなと思って！案の定でした」
北斗はやめなさいよ、なんて恥ずかしそうに笑う。
なんか、北斗に俺ら以外にも笑って話せる友達がいるって嬉しい。
北斗も北斗なりに大人になってんだな。
「で、なんでこんな事になってんの？」
「そう！俺も聞きたい。今日はお誕生日会じゃなかったの？」
「2人ともお誕生日が7月ということで、サプラーイズ…的な」
不器用な2人からのサプライズは本当にサプライズで、もはやドッキリの域。
「いやサプライズの仕方違うんだよなぁ」
「まあAも先月誕生日だったしね、いいんじゃない？」
待てよ、Aの誕生日が終わって、俺の誕生日が来たということは。
「俺北斗に何もしてない」
北斗の誕生日は先月に終わっている。
やらかしたー。
「そういえばわたしも北斗の誕生日スルーしたわ」
「Aの誕生日は覚えてたのに…？」
「なんか、ごめん」
「まあ、誕生日おめでとう俺ら！ということで」
「「かんぱーい！」」
北斗だけはあんまりめでたそうじゃなかった。
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作者名：この葉 | 作成日時：2022年11月22日 23時
