膝まくら 2 (ページ7)

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第５２話ページ7

レン seid

外の温泉には茉奈とレディが入っていた。仁王立ちしていたのはレディだった

チラリとイッチーを見ると一瞬驚いていたが急いでレディに近寄っていった

「何をしているんですか。風邪を引きますよ」
「トキヤさん。意外と細身だね」
「そんなことより早く入りなさい！」

イッチーは少し怒っているかのようにレディを急かしながら湯船に戻した

もしかして、レディの体を他の誰かに見られたくないのかな？それとも気付いてないって方かも

今はもしかして気持ちに気付いていないかもしれないね

でも、俺はそれより茉奈が気になる

「やぁ、茉奈。その姿、セクシーだね」
「そう？私よりレンレンの方がセクシー、っていうか大胆だね」
「このまま茉奈を食べちゃおっかな？」
「あはは。それは向こうの世界に行ってからしなよ！」

どうも調子に乗れない

誉めると嬉しがってはくれるけど照れるたり、好意を持つことなく誉められたで終わっている

「茉奈が来てくれたらね。俺、本気だよ？」
「本気？んん……」

だけど、俺もやられっぱなしは似合わない。今までの経験上だと使うのに最適な言葉は「本気」という単語。今までなら良かったんだ"今までなら"

「そう、俺は一途だよ。茉奈となら愛し合えると思うんだ」
「無理。一生を共に出来るほどの愛は持ち合わせてないから」

やっぱり断られた

茉奈は俺を好きだけどそれはアイドルについているファンと同じ気持ちだからと前も断られた。こんなに推しの強いレディは久しぶりだ

だからと言って諦めたりなんかしないさ。それは俺のポリシーに反する

一度決めた相手を捕らえるまで逃がさない

「親睦を深めるために俺の初恋の相手を教えてあげようか？」
「え？レンレンの初恋人！！だれだれ！？」
「とても優しくて、一人だった俺を抱きしめてくれた人。その人に会うたびに胸がドキドキしたんだ」
「へぇ～」

その相手は多分、茉奈。顔は覚えてないけど小さい頃に夢で会った人

孤独な家で寂しかった俺は慰めてくれた人

声、態度、雰囲気。すべてが似ていた

あの頃は俺は本当に小さくて記憶も正確なものではないけどそんな気がする

俺はあの時、愛に飢えてた。だからかもしれない、だからこそ惹かれたのかもしれない

誰がなんと言おうと確かめて、茉奈の傍にあり続けたい

そのためには地道に仲を深め、いきすぎないうちに恋人関係になれるようにしないとね

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