◎放っておけない ページ46
____爆豪side
共有スペースでクソ髪たちと座ってると
透明女が来て近くにいた半分野郎に
Aが大変だと言った。
それを聞いて俺は無意識に走り出した。
部屋に行くと、入口付近で呼吸を乱し
涙をボロボロ流すAがいた。
駆け寄ろうとすると、俺より早く
半分野郎がAに駆け寄る。
そして慣れた手つきで抱き抱えると
頭を撫でたり背中を摩ったりする。
Aも安心したように落ち着きを取り戻し、
最終的には眠りについてしまった。
丸顔に何があったのかを聞くと
1つのネックレスが原因であると話す。
そのネックレスを見た半分野郎は
驚いていて、担任を呼ぶように言った。
ということは、Aの過去のことか…？
担任が来ると、半分野郎以外は出て行けと
言われ、俺たちは自然とそのまま共有スペースへ
向かい、そこにクラス全員が集まった。
上鳴「…Aちゃん大丈夫かな…」
しばらく続いた沈黙を破ったのはアホ面。
上鳴「俺たちが知らない何かがある…よな。」
切島「でもそれは、桃瀬が話せるように
なったら本人から話すって轟も言ってただろ」
梅雨「そうよ上鳴ちゃん。無理に聞くことでは
なさそうだから待つしかないわ」
上鳴「分かってる！…けど…でもさぁ」
響香「上鳴…うちだって聞きたいよ？
でも、合宿と今回と…あんなA見たら
無理になんて聞けないよ…」
上鳴「そうだけど…なんつぅか…」
お茶子「上鳴くんの言いたいことは分かるよ」
百「どういうことですの？」
降りてきてからずっと黙って立ち尽くしていた
丸顔が俯きながら話し出した。
お茶子「Aちゃん、最初の頃は轟くんとか
爆豪くんにベッタリで、私らとの間に壁が
あるみたいに見えた。でもそれも消えて、
やっと…ちゃんと、“友達”になれた。
でもそう思ってたのは私だけなんかな…？」
瀬呂「麗日…」
お茶子「…私、Aちゃんのこと何も知らない…
だから今日だって何も出来なくて…それに、
この間のことだって…」
“この間”はきっと神野の事だろう。
丸顔は何回もAに会いに来たい
と言ってたって半分野郎から聞いたな。
お茶子「Aちゃん…私らのこと
どう思ってるんやろ？信用してないんかな？
この距離は縮まらんのかな？…って
色々考えてしまうんよ…」
三奈「…待ちたいけど、待っててこの先
話してくれるのかな…」
丸顔と黒目がそう言うと全員が俯き
表情を曇らせた。
全員、Aを放っておけねぇってか。
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作者名：kiki | 作成日時：2020年8月10日 13時
