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____爆豪side
夜中に目が覚めると、Aは俺の腕の中で
気持ちよさそうに眠っていた。
トイレに行きたくなり、Aを起こさないよう
そっとベッドから降りて部屋を出る。
トイレに行き、水を飲んで部屋へ戻ると、
ベッド上で座っているAがいた。
「A？」
そう呼ぶと、ばっとこちらを見る。
その目からは涙が流れていた。
そしてベッドに腰掛けると俺の腰周りに
抱き着いてきた。
『夢なのかって…
また居なくなっちゃったのかって…』
そう言って震えているA。
きっと昔のこともあって俺が
思っている以上に不安が強いようだ。
「大丈夫だ。ちゃんとここにいんだろ。」
そう言って強く抱き締めて頭を撫でてやると
黙って頷くが、離れようとしない。
仕方がねぇからまたそのまま布団に入る。
翌朝もAは俺のそばから離れなかった。
Aの両親は帰宅していたが、
帰ろうとしなかった。
光己「勝己、クラスの子が来たよ」
そう言ってババアが俺の部屋に
連れてきたのは半分野郎だった。
『焦凍』
焦凍「家に行ったら、ここに居るって聞いた」
『…うん。』
焦凍「大丈夫か？」
『…うん。』
Aは今にも壊れちまいそうだった。
そしてAは顔を上げて半分野郎を見た。
『ねぇ、なんで言ってくれなかったの？』
きっと俺の救出の事だろう。
夜中に半分野郎からのメールを
見て俺に聞いてきた。
アイツらが来てくれたことの
詳細を話すと、暗い顔をしていた。
焦凍「…悪ぃ。」
『…1人にしないって約束したのに…
約束したのに…なんで…！！』
Aが涙をためながら声を荒げて言うと、
半分野郎はAを優しく包み込んだ。
焦凍「Aを助け出したかったんだ。
消えちまいそうなAを助けたかったんだ。
…本当に悪かった。
もう大丈夫だ。
俺も爆豪もどこにも行かねぇ。
そばから離れたりしねぇ。」
そう言って頭を撫でるとAは
声をあげて子供のように泣きじゃくった。
半分野郎はAの事を分かっている。
きっとAの中の“不安”が
半分野郎の言葉で弾けたんだろう。
モヤモヤすんな…。
泣きじゃくったAは眠りについた。
焦凍「…爆豪。しばらくAのそばに
いてやってくれないか？」
半分野郎はAの頭を撫でながら話し始めた。
焦凍「あの事件の時もこうだったんだ。
きっと俺や爆豪が居なくなって一人になる。
そんな不安が消えねぇんだ。だから…」
「わーってるわ。」
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作者名：kiki | 作成日時：2020年8月10日 13時
