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目が覚めると病院の処置室にいた。
焦凍「…A？」
『焦凍…私…』
何でここに？と言おうとした時、
全てを思い出した。
黒いモヤの中に消えていくかっちゃんも。
『かっちゃん…』
名前を呼ぶと自然と涙が零れた。
焦凍は苦しそうな顔をして
私を抱きしめた。
焦凍「爆豪は強い。…大丈夫。」
『私が、私がもっと強かったら…
一緒に捕まってなんかなかったら…』
焦凍「Aのせいじゃない。
それは爆豪だって思ってる。」
『でも』
焦凍「だから爆豪はお前を守ったんだ。」
かっちゃんは一緒に連れて行かれそうに
なった私をワープの外に蹴飛ばした。
もしかっちゃんが帰って来なかったら？
そう思うと涙が止まらなくて焦凍の腕の中で
泣きじゃくった。
焦凍「A…」
____焦凍side
Aは目が覚めてから色々思い出したのか、
爆豪の名前を呟くと涙が零れ出した。
いつもはキラキラ輝いているAの目から
輝きは消え、太陽のような明るさも
消えてしまい、あの日の事を思い出した。
壊れてしまいそうなAが
消えてしまわないよう抱き締める。
日和「A！」
しばらくすると日和さんと快翔さんが
Aを迎えに来た。
『…お父さん、お母さん……私…』
言葉の出ないAを2人が抱き締めると
声を上げて泣きじゃくった。
俺はAと一緒に車で帰ることになった。
その間もAは一言も話さず、
一点を見つめたまま動かない。
まるで人形のようなAの手を握ると、
Aは握り返してきた。
それから毎日Aの家に行き、
その帰りに八百万や葉隠、耳郎や緑谷が
入院する病院に足を運んだ。
Aは部屋から出てこないと
日和さんが言っていた。
部屋に行くと、ベッドの上で体育座りをして
飾ってある両親との写真を見ていて、
塞ぎ込んでしまっているようだった。
俺はAを救いたい。
でもどうすれば____
そう思っていた矢先、八百万の部屋の前で
切島とある情報を耳にした。
これならきっと、爆豪もAも
助けることが出来る。そう確信した。
緑谷の部屋で切島が爆豪を助けに
行く事を話すとクラスの奴らは反対した。
切島は、手が届くんだと言って
諦める様子はなかった。
それは俺も同じだった。
Aのためにも諦めるつもりはねぇ。
Aに言えばきっと一緒に行くと言うし、
きっと行かないでと止めるだろう。
だから言わずに行くことにした。
必ず爆豪を連れて帰ってくる。
そう誓った。
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作者名：kiki | 作成日時：2020年8月10日 13時
