割り切れない ページ13
「そしたらグルちゃん、勘だって。これからの我々国にはお前が不可欠だって瞬間的に思ったんだ、ってさ。
子供でも驚くような理由にならない理由だけど、その時の俺は十分に救われたんだ。
それにグルちゃんてば、勘は外れていないだろって自慢気に続けるもんだからもう笑うしかないよね。
ついでに言えばその後、他の皆にも産まれについて聞いてみたんだよ。コネシマとシャオロン、ぺ神や他の皆にもね。気になったらここは自分で聞いてみてよ」
一通りの事を話し終えてスッキリとしたのか、ひとらんらんは再び空を見上げる。
つられてクラサも見上げたそこは、太陽が先程よりも高くなっていた。
「ね、俺の言いたい事……わかった？」
「は、はい……？」
不意に飛んできた問い掛けへ答えた彼女の声は、いつぞやのひとらんらんのように間が抜けているようだった。
ふふ、と小さく笑みを溢した彼は芯と柔らかさを兼ね備えた声で続ける。
「自分は自分しかいないんだから、他と違ってて当然なの。
何もかもが「同じだから良い、違うから駄目」なんて簡単には割り切れないんだしさ」
そう言って早々、「何偉そうなこと言ってんの俺は……！？」とひとらんらんが焦るにも関わらず、クラサは言葉を染み込ませるようにジッとしていた。
と思えば突如「わかりました」と首を縦に振った彼女をひとらんらんはゆっくりと見つめ直した。
「違うモノなりに……私が支えになれる場合は全力で取り組ませていただきます」
ありがとうございます、と加えたクラサの声はどことなく不安が和らいだように聞こえてくる。
「きっとそれで大丈夫だよ」
腰を上げ、大きく伸びをしたひとらんらんは愛刀を手にとると同様に立ち上がったクラサへ向き直る。
「何かあれば皆を頼って大丈夫だから。俺でよければいつでも話し相手になるし、コネシマだとすぐに飛んできてくれるんじゃないかな？」
ニヤリとわざとらしく目を細めて笑った彼の口から飛び出した固有名詞の意味が理解が出来ていないクラサへ、ひとらんらんは冗談めかしたように口を開く。
「いつか分かると思うよ、きっとね」
意味深な笑みを浮かべてその場を立ち去るひとらんらんを見送っても、今のところクラサの理解が進むことはなかったと言う。
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CrazyBook(プロフ) - 鳥類志望さん» コメントありがとうございます。本当に不定期で遅い更新ですが、気長にお付き合いくださいね！ (2020年7月27日 6時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
鳥類志望(プロフ) - コメント失礼いたします。以前コメントさせていただいたキツネというものです。また更新再開していただいてとても嬉しいです。また更新頑張ってください、応援しております。 (2020年5月9日 6時) (レス) id: 5b352d10cf (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - コメント、ありがとうございます！更新が滞っていて申し訳ありません。時間はかかりますが、必ず完結には持っていきますので気長にお付き合いください。 (2019年8月12日 8時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
キツネ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。当方、こちらの作品が作成された当初から閲覧させていただいておりますがとても面白く、文章も綺麗で大好きな作品です。お忙しい中更新大変かと思われますが応援しておりますね。 (2019年7月25日 10時) (レス) id: 5b352d10cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2019年1月8日 23時
