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あ「そ、それより、今日はいつもより少し遅かったけど…」
身に覚えがある分、健人の言葉に否定は出来なくて、私はわざと話題を逸らした。
健「ん？あぁ、ごめんね。佐藤に捕まっちゃったんだよ」
あ「佐藤少年に？」
健「……その呼び方で定着しちゃってるんだね」
健人は何だか不服そうな声を出しながらも、笑みを浮かべている。
そして、ブレザーを脱いで椅子に掛けた。
私はその姿を見ながら、お鍋の中のハッシュドビーフを温め直す。
あ「本人には一度しか会ってないけど」
健「あんな奴、一度でも会わなくて良かったのにね」
そう言ってにこりと笑った健人は、私の方へとやって来た。
あ「っな…、何…？」
すると、背後からお腹の辺りに腕がまわってきて、拘束状態になってしまった。
健「まだかなぁと思って」
あ「もうすぐ出来るから。椅子に座って待っててよ」
健「んー」
返事のわりには、この拘束を解いてくれる気配もない。
健「……いい匂いするね」
私の背中にぴったりと顔を付けているのか、健人の声がそのまま体に伝わる。
声の振動が、そのまま胸に届く。
この心地よさも、冷たい体温に包まれる幸せも。
今だけは、私のモノだと思っていいの？
あ「今日はハッシュドビーフだよ」
健「あぁ、じゃあ4回目だ」
あ「……え？」
私は火を止めると、健人の言葉に振り返った。
健「(人1)さんがハッシュドビーフを作ってくれたのは、これで4回目。当たりでしょ？」
あ「………、」
泣きそうになった。
あ「そんなこと、覚えてないよ」
健「えー、ちゃんと覚えててよ。じゃないと、俺が当たってるのか間違ってるのか分からないでしょ？」
私が覚えてないことでも、誰かの記憶に残っていたのなら、それは本当のことになる。
嘘じゃない。
それは、私の存在を証明することにも繋がっていく。
些細なことでも、誰かが覚えてくれているのなら。
それはただ過ぎ去っていくだけのものじゃなく、思い出になっていくんだね。
それはとっても優しいことだ。
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ふまけんしょりまりそう - いつも楽しく読ませていただいてます表現の仕方がとても私好みで早く読みたくて勉強にも手が付かないくらいです。これからも頑張ってください。 (2018年8月21日 8時) (
レス) id: 47f8a41aa5 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - クンミンさん» 嬉しいお言葉ありがとうごさいます♪これからも楽しんでいただけるように頑張ります！！移行先でもよろしくお願いします(*´∀｀*) (2017年9月12日 0時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - ルンバさん» お久しぶりです。夜しか眠れないほど、、(笑)楽しみにしていただけて嬉しいです(*´ω｀*)これからもマイペースに頑張っていきますので、移行先でもよろしくお願いします！ (2017年9月12日 0時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新のお知らせが嬉しい。間が空くとどんな内容だったかな？と思うことがないの北斗さんのは。直ぐに続きが読めるんです。それくらい楽しみなんだな〜きっと。 (2017年9月11日 8時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - お久しぶりです。やはり北斗七星さんの更新の通知は一番テンションが上がります（笑）北斗七星さんのペースで待っています！そして物語も最高に気になって夜しか眠れません、、、（笑） (2017年9月11日 2時) (レス) id: d207864c12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北斗七星 | 作成日時：2017年6月29日 18時
