＊42＊ ページ2
＊
だけど、地下鉄に乗って街に出てみると、やっぱり溜息が出た。
右を見ても、左を見ても人。人間のカタマリ。うるさいし暑いし、何よりこんなに人の数が多いと吐き気がする。
不思議だった。土地は繋がっているはずなのに、自然が溢れる場所もあればこんなに汚れた場所もある。その差はあまりにも大き過ぎていて。
今までだって、そんな汚い場所で平気でいたのに、綺麗な場所を知った後では違うんだ。
青い青い、夏の空に向かってぐんと伸びる高層ビルが、いくつも立ち並ぶ。その中で、携帯を片手に歩くサラリーマン。友人と大声で話しながら歩く学生。
他人の身体にぶつかっても、立ち止まらず先を急ぐ人たち。それぞれの動きを目で追っていると、やっぱり吐き気がした。
しばらく外に出ていなかった私は、ジリジリと照りつける太陽に目を眩ませる。
街路樹の隙間からではなく、直接見た太陽は、ツラかった。
夏は苦手。
だけど、暑さ以上に人ごみの中にいると、頭がクラクラする。早速、人酔いしてしまった。
健「(人1)さん、顔色悪いね」
すると、弱っている私に気付いた健人が顔を覗き込んできた。
健人の冷たい手のひらが額に添えられて。それが少し気持ちいいと思ってしまったのは、仕方ないことだ。
健「とりあえず、どこか店に入ろっか。何から買いたい？」
冷房の効いた店に入りたい。だけど、自分から買いたいと思う物なんて、特にないんだ。服だって、別に健人の物を借りれば済む話。
あ「何でもいい」
健「んー、それが一番困るんだけどなぁ」
困った笑みを浮かべる健人は、何かを探すように辺りを見渡した。
健「………あ、見っけ。じゃあ、あそこに行こう」
目当ての店を見つけたらしく、健人は私の腕を掴むと引っ張って歩き始めた。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1410人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふまけんしょりまりそう - いつも楽しく読ませていただいてます表現の仕方がとても私好みで早く読みたくて勉強にも手が付かないくらいです。これからも頑張ってください。 (2018年8月21日 8時) (
レス) id: 47f8a41aa5 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - クンミンさん» 嬉しいお言葉ありがとうごさいます♪これからも楽しんでいただけるように頑張ります！！移行先でもよろしくお願いします(*´∀｀*) (2017年9月12日 0時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - ルンバさん» お久しぶりです。夜しか眠れないほど、、(笑)楽しみにしていただけて嬉しいです(*´ω｀*)これからもマイペースに頑張っていきますので、移行先でもよろしくお願いします！ (2017年9月12日 0時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新のお知らせが嬉しい。間が空くとどんな内容だったかな？と思うことがないの北斗さんのは。直ぐに続きが読めるんです。それくらい楽しみなんだな〜きっと。 (2017年9月11日 8時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - お久しぶりです。やはり北斗七星さんの更新の通知は一番テンションが上がります（笑）北斗七星さんのペースで待っています！そして物語も最高に気になって夜しか眠れません、、、（笑） (2017年9月11日 2時) (レス) id: d207864c12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：北斗七星 | 作成日時：2017年6月29日 18時
