――本題は!? ページ1
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ほどなく運ばれてきたビールに口をつける気もせず、店員が下がると同時に本題を促した。
「…で?何の話?」
「そんな怖い顔しないでよ。久しぶりの再会だもの、ほら。まずは楽しく飲も(笑)?」
はあい、かんぱぁい!と無駄に笑って、手も触れず置いたままのオレのビールグラスに、ミイナは毒々しい鮮やかな赤い液体の入ったロングクラスをチンと触れ合わせてきた。
相変わらずの、どこか媚びた仕草。
可愛い仕草に見えた事もあったのが不思議。
小さく舌打ちすると、ミイナは「ふうん…」と意味あり気に笑ってみせる。
その思わせぶりな笑顔がまた気に障るけど、そんな事はとりあえずどーでもいいや。
「…何?話あるなら早くしてよ。ワタシこー見えても忙しーんですけどね」
「そうみたいだね。映画大ヒットじゃない。おめでとう!」
「――本題は!?」
両手をポケットにいれたまま不機嫌さを隠さずに訊ねたら、思った以上に腹から出た声が部屋に響いて、自分でも引いた。
ミイナの表情が一瞬ピクリと動いたけど、貼り付けたような笑顔を崩すことなくさらにニッコリと口元を綻ばせてきた。
「…今度は一般の子らしいじゃない。
知ってるわよ。Aさんって言うんでしょ?カズがいま入れ込んでる人」
「……」
「あ、もしかして、わたしがカマを掛けてるのかって疑ってる(笑)?…違うんだなぁ」
「……」
「2月の終わりだったかな…あるお店で一緒に居るところ見掛けたの。
あの時…カズはわたしの目の前の廊下を通り過ぎたんだけど…覚えてない?」
ミイナが口にした店の名前は、潤くんから紹介されたあの店。
あー。
イケメン君と話をした時か。
あん時は確かにAとイケメン君のことで頭が一杯だったし、付き合う前で3人だったから、そーいうことには不注意だったかもしんない。
ちっ…
よりによって、こいつに見られてたのか…めんどくさ。
何するつもりか知んないけど、それでも一応は回避できるもんなら回避した方が得策。
「…あの店に居たんなら知ってる筈だよね。
二人きりで行ってたワケじゃないし、あの時は、他の人間も一緒。
別にそーいう間柄じゃなかったってこと、すぐに分かる筈ですけど?」
「ふぅん。でも、そんなの知らないし、そこは問題じゃないわ。問題はねぇ…」
ミイナは何が面白いのか、うふふと笑って一旦言葉を区切り、上目遣いでオレを見た。
「ありえないことだらけだった…ってこと」
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kico(プロフ) - なるさん» 書いてるうちに悪役に心情移入してしまい、だんだん実は良い人だった設定に変わってしまうことが私はあるんですけど(元カレくんとか。笑)、ハマダは、そうなることはないでしょう(笑)。こういう人まず居ないだろうからその分最後まで悪役をしてもらう事に(笑)。ふふふ (2015年5月7日 9時) (レス) id: e6fa685b25 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - しろさん» この章と次の章は楽しくない展開が続いています…ごめんなさい;;それを過ぎたらいつもの私の妄想路線に戻るはず!きっとここで感じた事がきっと今の2人の土台にあるから揺るがないんだと信じて書いています(と書くと大袈裟だけど何となくそんな感じで。笑)。 (2015年5月7日 9時) (レス) id: e6fa685b25 (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - kicoさん、おはようございます(^ー^) 是非ともハマダを痛めつけちゃって下さい(笑) 何処まででも追いかけますょ~(*≧∀≦*) ドキドキしながら待ってます♪ (2015年5月6日 8時) (レス) id: a4e0b0ea69 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 主人公ちゃん…二宮さんに迷惑かけないように自分にできることを、、って頑張ったのに…。辛い展開で涙が(´;ω;`)それにしてもハマダ…なんなんだ!!← (2015年5月6日 0時) (レス) id: 30aeae7aa3 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - なるさん» なるさん、こんばんは^^!ハマダめー(怒)!!ですよね。彼には鉄槌が下るハズ(ふふふ。笑)ですが、まだ先は長い^^;次章もまだ同じような雰囲気ではありますが、よかったらぜひまたお付き合い頂けると嬉しいです♪ (2015年5月5日 3時) (レス) id: e6fa685b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kico | 作成日時:2015年4月24日 23時