未遂 ページ47
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「や…やめて…！」
怖いっ…！！
マサトに恐怖を感じたのは初めてだった。
逃げたいけど、とてもふりほどけなくて、どうしていいかわからない。
「ね、こんなのやだっｌ！離して！！」
必死で抵抗すると、逆に両手を掴まれて、左手一本で頭の上で固定された。
「したことある男の部屋に、こんな簡単に入っておいて、今ごろ何そんな抵抗してるの？
今までだって、してきた事だろ？
あの頃のAは、俺に全部許してくれていたよね？」
「な、何言って…」
「この部屋で最後にしたの…いつだっけ…？」
「！！」
ちょっと待って！！
付き合ってた頃と今は違う。
イヤっ！本当にこんなの絶対にイヤっ！！！
身体をよじって逃げようとすると、マサトが体重を掛けてきて簡単に抑えつけられた。
「A…」
マサトの熱い視線に、これまでの彼との時間が頭に蘇って悟る。
冗談やふざけてる訳じゃない。
マサトは本気だ。
「いや…っ…！！」
「本当に嫌なら、泣き喚いてもいいよ。
でも、Aは俺の前で何かで泣いた事、一度もないよね？」
確かに仕事柄、感情を押さえることが多いからか、マサトの前でも涙を見せた記憶はない。
「二人でする時も、嫌だなんて言ったことなかっただろ？
困ったように笑って俺をいつも受け入れてくれてた」
「でも、今はもう別れたの！！あの頃とは違うでしょっ！！」
必死で背けようとした顔を右手で戻されて顎を掴まれ、強引に唇が塞がれた。
執拗な口付けに歯を食いしばって抵抗するうち、マサトの右手がスカートの裾から入ってくる。
「やっ！！」
思わず声を出した隙をついて、舌が絡め取られ、その久々の感触に快感ではなく激しい悪寒が走る。
「んーっ！！！」
やめて！！と叫びたいのに、くぐもった声しか出せない。
そのうちマサトの唇が私のそれから離れて、首筋に顔を埋めてきた。
「いやあっ！！」
ゾクッと走った不快感に堪らず抵抗して必死で身体を捩ると、マサトの押さえつける力がグッと強くなり、シャツブラウスの第一ボタンがちぎれて飛んだ。
マサトの顔が鎖骨から露わになった胸元へと動いて、強く吸われて鳥肌が立つ。
やだやだっ！！こんなのもういやっ！！なんでこんなっ！！！
あの頃と違って、身体も心も完全にマサトを拒否している。
恐ろしさと生理的な拒絶反応で頭が真っ白になり、思いっきり暴れて抵抗するけど、マサトの腕はびくともしない。
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作者名：kico
| 作成日時：2014年11月7日 16時
