何考えてんだ、オレ？ ページ42
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なんかさ、いつもAちゃんってそうなんだよ。
なんだろ…
うまく言えないんだけど…
そんな頑張って強がんなくて大丈夫なのにさ。
女だからしなくていいとか、男だからしなきゃいけないとか、そーいうの好きじゃなさそうだけど…
でも男のオレからみたら、やっぱAちゃんは女の子なんだよ。
もっとさ、肩の力抜いて、要領よく男に守られてる子なんて、いっぱいいるでしょ？
ひとりで、そんなにあんま無理すんなよ…って。
そう伝えたいけど、オレは見てるだけで、何も伝えらんなくて。
これがさ、そう…
例えば、彼氏とかならさ、きっと分かち合えんだよね。
A…って名前を呼んで、Aちゃんがそぉーっと顔を上げて…
頭をよしよしって撫でてやって、涙をそっと親指で優しく拭いてやってさ…
それだけでも、十分伝わるんだろうけど。
そんで…
偉いよ、オマエよく頑張ったじゃん…もう無理しなくて大丈夫だよっつってさ…
ぎゅってしっかり抱き締めて…
お互いの体温を感じながら、そっと、チュッてキスなんかして、一緒に受け止めてやれんのに。
…でも、
結局、あの時…
オレには…何にもできなかったからさ…
そこまで考えて、「はぁ！？」と思わず声が出た。
あーーーやめやめー！！
あほらし。
一体どーしちゃったの、何考えてんだ、オレ？
何もできないの当たり前でしょ！
彼氏の役目だったら、イケメン男の特権じゃん！！
ちょっとムカッとして、エイッと思い切りコントローラーのボタンを押すと、普段は難なくクリアできる場面で谷底に落ちて、画面に大きくゲームオーバーの表示が出た。
「あーくそ！」
いつもなら速攻でリセットだけど、今日は気が乗らなくて、コントローラーをぽいと投げて、後ろに倒れてソファに背中を預けた。
そーなんだよな。
あれからだ…
遊ばなくなってきたの。
…なんで？
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作者名：kico
| 作成日時：2014年11月7日 16時
