抵抗 ページ38
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「今日の打ち上げを、今度の金曜日にこの間の焼肉店でやるんですが、お二人とも来ませんか？
あ、残念ながら、二宮さんは金曜日はお仕事があるから、マネージャーさんからご挨拶だけで退席と聞いていますけど」
「うん、オレは今度の金曜日、そのあと個人の仕事入っちゃってっからね。
しかしさ、ホーントうちのスタッフも食事会好きだねー(笑)。
あ、Aちゃんたちどうすんの？打ち上げあるんですってよ？」
「あ、今度の金曜日はちょっと…」
そう言って、マサトの方をちらりと見た。
その日は、この間言っていたマサトの相談事を兼ねて、マサトの家で一緒にご飯を食べる約束をしている。
「金曜日は、小笠原と僕にはちょっと予定がありまして、残念ですが無理ですね。申し訳ありません」
「おや、お二人でデートですか？」
企画担当者さんがニヤリと笑う。
いつもこの手の質問は肯定してきたのに、なぜか今日は二宮さんたちの前で頷くことにすごく抵抗があった。
「あ、いえ、違います、そんなんじゃ…」
「まあ、デートみたいなものですね！」
正直に違うと訂正している途中から、マサトが強引に答えを被せてきた。
「ちょっと…西村係長！」
当のマサトは知らん顔をしている。
私が声を上げたのを恥ずかしがっていると思ったのか、企画担当者さんは「まあまあ、隠さなくてもいいじゃないですか…」と笑顔で宥めてきた。
「わかりました。
それでは、西村さんと小笠原さんはデートで欠席ですね。
今日はどうもお疲れさまでした！」
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作者名：kico
| 作成日時：2014年11月7日 16時
