さすがだね。 ページ22
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「ま、実を言うと、俺らもさ、何となく予感みたいなのあってさ。
…さっきさ、ニノがコーヒー買いに行くって別れた時、智くんがね、“あれ、ニノ変だね”って」
「へ？ワタシ？変…でした？」
「“いつもなら楽屋のコーヒー飲むのに、何でわざわざ金出して自販機に行くんだろーね…”って」
「あー…」
さすがだね。
別にミイナが来るから逃げたわけじゃないけど、大野さん、こーいうときは鋭いんだよなー…。
「そしたら、ミイナちゃん来たからさ。
智くんと“あぶねー、ニノいなくて良かったね”って、二人でホッとしたよ。
いやー、別れたって先に聞いててマジよかった。
じゃないと、あんな風に来られたら、“ニノと何かあったの？”って危うく智くんと二人して軽い気持ちで訊いてしまって、底なしの泥沼だったかもしれないー(笑)」
彼女がどんな険悪な雰囲気で乗り込んできたのか想像に難くないけれど、翔ちゃんは、あははは…と軽く笑ってくれる。
「ごめんね。別れた後も、ミイナからずっと着信とメールがあっててさ。
ちょっと一人で考えを整理したくて、楽屋に戻んなかったんだけど、結果、逃げたみたいになっちゃいましたね。
…マジでごめん、翔ちゃん」
「いや、オレらは別にいいんだけど…なに、もしかして拗れてる系？」
「んー、ちゃんと面と向かって話した筈なんすけど…納得してないっつー事なんでしょーね」
「あれは、ニノに会えるまで、何度でも来そうな感じだったよ。
オレも智くんも、ニノからホントに詳しいことは何も聞いてなかったからさ。
とりあえず、なに訊かれても“知らない”って言っといたから」
「うん。ありがと、翔ちゃん。ホント申し訳ない。
大野さんにも謝っとくわ。
ミイナには、連絡してきちんと話してみる」
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作者名：kico
| 作成日時：2014年11月7日 16時
