やっぱ来ました？ ページ21
＋＋＋
電話かけてくる相手はいなくなっちゃったんだけど、こーして相変わらず休憩室にお邪魔してるオレ。
ぼーっと外見たり、ゲームしてみたり。
いま気付いたけど、こうして缶コーヒー飲むのも悪くない。
Aちゃんとタイミングが合えば、Aちゃんとちょっとだけ雑談したり、一緒に並んで外を見たり、軽口を叩き合ってみたり。
…で、その後、やっぱり締め出されちゃうんだけどさ(笑)。
でも、ちょっとだけAちゃんが柔らかくなったというのか…
あの袖の下が効いたとは思ってないけど、あのツンツンした口調がなくなってきた気がする。
今日も、オレがいる間に来たりすんのかな…？
ミイナの件は、やり直す気なんてさらさらない。
なんでそんな事がわからないのか、理解不能なんですけど。
いい加減ウザくなって着信拒否したいのに、それはそれで却って逆上させて長引かせてしまいそーだし。
もう会う事もない遊び相手なら無視できても、こーいう時に、同じ業界で、そこそこニアミスする相手だと影響あんだよね。
あー、もうマジで超めんどくせーんだけど！！
だけど、このまま放っておいて、さすがに、楽屋で修羅場なんてまっぴらゴメン！
うちの人たちには絶対に迷惑かけたくないし、めんどーだけど、やっぱもう一回会って話をつけるしかないか…。
＋＋＋
なーんだ、結局、今日はAちゃん来なかったなー…なんて思いながらスタジオに戻るや否や、翔ちゃんから引っ張られてセットの陰に連れて行かれた。
周りを気にしながら、小声で訊ねてくる。
「ちょっと、ニノ！！
さっき楽屋にミイナちゃん来たんだけど、どーなってんの！？」
げ、マジで来たのか…あの女！
「あー…やっぱ来ました？」
「やっぱ…って…。何だよ知ってたの？彼女来るって…」
「違う、違う！
いやね、電話もメールも返してないから、もしかしたらそろそろ楽屋に来たりしてーとは何となく思ってましたけど、まさかこんな早くとはね…」
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作者名：kico
| 作成日時：2014年11月7日 16時
