よくわかんないんだけどね。 ページ20
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収録が終わって携帯を見ると、またミイナから着信が何回も入っていた。
チッと舌打ちして、ポケットに仕舞う。
あの振りきって帰った日から何回も電話やメールがあるけど、すべて無視。
しつこいオンナ。
でも、この勢いだと、放っといて逆上されたら楽屋とかに押しかけたりもありえない？
こわっ！
あーどうすっかな…。
収録の合間の休憩時間に大野さんと翔ちゃんと３人で楽屋に戻る途中で、今のうちにちょっと考えを整理したくなり、缶コーヒーを買うから…とメンバーと別れて、休憩室に寄ってみた。
Aちゃんにジュースを渡すのにしばらく待ってたあの時から、この休憩室からの眺め、実は結構気に入ってる。
四方が壁で囲まれた楽屋やスタジオと違って、大きな窓のおかげで明るくて４階の割には眺めが良い。
窓はミラーガラスで、外からは中が見えないのに、中からは下の広場の様子や、遠くのビル群や東京タワーなんかがよく見える。
オレは窓の外なんてあんま興味ないけど、それでも何も気にせず、こうして無になれる時間ってのは、いーかもしんない。
Aちゃんが、ぼーっとしてたらリフレッシュできる…というのも、こんなカンジかな。
なんつーか、少しの間、現実のいろんな事から自由になれるっての？
そんなカンジ。
最近は、今まで途切れることなく入っていた女の子たちからの連絡にも興味がなくなってきた。
もうそんな子たちに電話したりメールしたりして、会うのがめんどくさい。
よく考えたらさ、また会う前提なら無視するとめんどーだけど、もう会わなくていーや！って思ったら、何も気にせず無視できんだよね。
そしたら、最初はガンガンきてた電話やメールも、こっちに出る気がないと伝わったらどんどん減って…
いやー、ミイナと違って、こーいう時の彼女たちの引き際ってすげーよ(笑)。
今では、ほとんどなくなった。
うちの人たちにそんな話をしたら、翔ちゃんが「よかったよ。やっぱ本命だけに絞るべきだろ！」とうんうん頷いてくれたけど…
「あー、それが、ミイナとも終わったんだよね」とバラしたら、あんぐりと口を開けて驚いていた。
自分でもよくわかんないんだけど、無理にそんなことして満たさなくてもいーや…って思うようになってんだよね。
ハッキリ言って、今のが気楽なの。
なんでかなー…
オレ自身、よくわかんないんだけどね。
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作者名：kico
| 作成日時：2014年11月7日 16時
