起こしていい？ ページ39
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寝返りを打つ振りをして、Aをしっかりと胸に抱き直した。
あの後、相葉さんの言葉通りちゃっかりタップリあれこれ癒してもらい…
さすがに疲れたのか、Aは腕の中でうとうとと眠りの境界線で微睡んでいる。
しっかりと身体を密着させ、髪に顔を埋めると、Aの匂いと温もりに、“ああ、帰ってきたんだな…”と実感した。
『和也…』
Aがオレを呼ぶ声も久しぶりで。
まだもっと聞いていたくて、寝るなー戻ってこーい…とばかりに、額に鼻に眦に、頬に耳に首筋に鎖骨に…
薄く口を開けて吸いつくように、唇を押し当てながらゆっくりと滑らせていく。
「？…和…也？」
ぼんやりと見上げる表情が、妙にエ ロくて、すっげ愛しい。
声が聞きたい。
起きて、もっと、ちゃんとオレを見て、声を聞かせて…。
滑らせている唇で、ところどころで軽く吸い上げると、Aの口からそのたびに甘やかな吐息が漏れてくる。
あんだけ何度もAで満たしたはずなのに、これだけでまた欲しくなるなんて、オレ、どんだけAが足んなかったんだ？
「A…」
「ん…？」
「ごめん、起こしていい？」
「…？
……ん………んーーっ！！」
いきなり、深く呼吸も奪いつくすようなキス。
思惑通り息苦しさで覚醒してバタバタし始めたAを、きゅーっと抱き締めた。
「か、和也？…ビックリした」
「悪い、苦しかった？」
整わない息で、こくんこくんと涙目で頷いているその表情がまた堪らなくて。
両手でAの肩から首筋に沿って髪をかきあげながら、逃がさないように頭を両掌で固定し、うなじから頬、耳元にかけて再び唇を滑らせて、わざと音をさせながらキスを落としていく。
疲れて眠りに落ちようとしていたA相手に、我ながらなーんて自分勝手なヤツだと思うけど、止まんない。
「ちょ……んっ…和也…」
「やば…」
そっちに流されて、危うく起こした目的忘れるトコだった。
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作者名：kico
| 作成日時：2014年9月28日 15時
