おかえりなさい。【KN】 2014.9 (ページ4)

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まだまだ早いなページ4

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『…ハワイは、Aへのご褒美になんない？』

耳に響いた優しい声色に、涙が零れそうなくらい嬉しくなった。
和也は、普段は意地悪なことばっかり言ってきたり、すぐからかってきたりするのに、時々、絶妙なタイミングで私を甘やかせてくれる。
それだけで、こんなに幸せになれる私は、お手軽なのかな。

でも…
ごめんなさい…。

『どう？…その気になってきた？』

至近距離で見つめられて、チュッと唇が軽く触れ合った。
視線が外せないまま、精一杯微笑んでみる。

『すごく嬉しい。…でも、和也の気持ちだけで十分だよ』

『なんでよ？…もしAが来んなら、ホテル代も飛行機代もぜーんぶオレが出しちゃうけど。ついでに、ライブ見たいならチケットもつけちゃおっかなー…』

『ええっ！？絶対ダメ！！』

思わず大声が出た、筈が…
あれ？
声が裏返って大きな声が出ない！

理由なんて、ひとつしか思い当たらない。
そんな大きな声を出したつもりないのに…
いやーっ///！
メチャクチャ恥ずかしい///！！

『なによ、そんな声で、アナタ…』

和也が可笑しそうに、ぷふふっと笑っている。

『もう、笑わないで///！…誰のせい？』

『えー、オレ？…あーそりゃごめんなさいねー(笑)』

『…悪いと思ってない』

『そりゃそーでしょー。だって、オレが“声出して”って言ったの最初だけだからね？…後はAが勝手に…』

『///！！…もういいから！』

かあっと顔が熱くなって、恥ずかしくて堪らなくなり、胸元のブランケットを引っ張りあげて頭から被った。

ああ…
突っ込み上手な和也に、こんな話を振った私がバカだった。

『ふふ、オレを言い負かそうなんて、Aにはまだまだ早いな』

和也は楽しそうに、そんな私をブランケットごと抱き締め直してくる。

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