おかえりなさい。【KN】 2014.9 (ページ12)

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ビューイングページ12

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行かない、と公言したものの、日を増すごとにライブ準備に本格的に追われ始めた和也たち。
だんだん盛り上がっていく様子に、できたら見てみたかったなーというのも、正直なところ心にあって。
でも、だからと言って決心が変わったわけじゃないから、それは言わないでおこう…と思っていた矢先、とある情報を耳にした。

それは…
今回のライブのパブリックビューイング。

ライブパフォーマンスを映画館に生中継配信するというイベント。
いわば大きなDVD観賞会みたいなものらしい。

映画館で見るとはいえ、ライブ的な予感もしてちょっと迷ったけど…
でも、これならスクリーンの向こうの和也を見るだけ。
DVDをみんなで見ているみたいな感じだよね。

見たい。

和也たちのライブを同じタイミングで感じる機会があるなら、すごく行きたい！

そう思って念を込めて応募して、なんと幸運にも当たった二日目のチケット。

『へー！当たったの？すごっ！！…A、運だけは最強だなー』

『うん！！…嬉しいな。和也たちのライブ、すっごく楽しみ！！』

嬉しくてたまらず、当選通知が来たスマホを抱きしめて騒いでいたら、動きが止まった和也と目があった。

ん…？と首を傾げると、へー…と笑って腕で顔を隠し、くくく…と肩を揺らし始めた。

『？…何笑ってるの？』

『別に？』

『教えてよ』

『だめ』

『…意地悪！』

別にいいもん、ビューイング当たったしーと、ぷいと横を向いた途端、グイッと引っ張られた。
スポッと和也の胸に収まって、そのままぎゅーっと抱き締められる。

『？…和也？』

え？
なに…？？

見上げるけど、和也は私の頭に顎を乗せていて、表情が見えない。

『…結構Aも楽しみにしてくれてんじゃん』

あ…
もしかして、そんなに楽しみにしてないかと思われてた…？

『うん、もちろん。行けなくても楽しみだよ、いつも』

頭の上で、ふふん…と笑う声がした。
今の和也の顔が見たくて、もぞもぞと動くけど、放してもらえない。

『…とにかく、私は日本でビューイングで見せてもらうからね！』

えいっ！と何とか上体を離して胸を反らせたけれど、残念ながら、もういつもの和也だった。

『…だーからー、見たいならハワイで見せてやるっつってんのに…』

和也はそう苦笑しながら、

…んじゃ、Aが言う“キラキラしたカッコいい二宮サン”を日本でしっかり見ててよ？

と小さなキスを落としてくれた。

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