契約ノカタチ Act2【KN】promise 2 (ページ22)

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意味が分からない。ページ22

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いつだったか…ミイナの一件の後くらいだっけかな。
ベッドの中でまどろみながら、2人でいろんな話をしたことがあって。
その時に、Aがオレの胸でぽつりぽつりと話してくれた。
両親を早くに亡くしたこと、家族は弟だけで高校時代は2人暮らしをしていたこと、叔父さんが保護者代わりだったこと。
穏やかに、淡々と。悲しさとか辛さとか、もう生々しい負の感情は感じられなくて。
Aが事実を受け入れて、しっかり今を生きてるんだなって伝わってきた。

それでも、自分の家族でオレと姉ちゃんの関係に置き換えてみれば、きっと苦労もあったんだろうなってのは想像できて。
こんな細っそい肩に、弟と2人でいろんなもん背負って歩いてきたんだろうなと思ったら、なんだろな、なんか急に堪んなくなって…。
愛しくて切なくて、ぎゅーっと抱き締めたのを覚えてる。

Aの潔さとか妙な物わかりのよさ、執着のなさってのは、その経験もあんのかもしれないね。

でもさ。

だからと言って、家族に憧れるとか結婚したいとかそんなこと一言も言わないし、そんな素振りもない。
さらに、今さらここでまたイケメン君との噂が出てくる意味が分からない。
どーでもいい噂話を、いつまでもしつっこく喋ってんじゃないよ！！

「…あのさ、オレらもよくあんだよね。面白可笑しく流されちゃう噂や憶測っての？ウソや作り話的なそーいうやつ。
　ま、我々はそーいうのもお仕事のうちだから割り切れるけど、日常での無責任な噂って何なんすかね？何が面白いのか、オレにはさっぱりわかんない。
　他人のそーいう話、まっったく、何っの興味もないんすけど(笑)」

口元だけで笑い、めちゃめちゃ嫌な顔を作って返すと、さすがの谷山も一旦黙った。
ついでに逆手にとり、谷山の話にワザと乗ってやる。

「どうせ流すなら事実を流してやりなよ。あのヒト、彼氏と順調だから。
　イケメン君とは絶対にない(笑)。
　2人をよく知る関係者から聞いた確実な情報ですってね」

「あ、そうなの(笑)！？」

案の定、目を輝かせて食い付いてきた。
イラッとするけど、こうして谷山にしっかり否定しておけば、新情報とばかりに適当に拡散してくれるのは確か。

「音声、スタンバイできましたー！」

タイミングよく扉の向こうからスタッフの声が聞こえてくる。

「よし、二宮くん最後までお待たせ！後はよろしく頼むよ！」

ディレクターに送り出されて、オレも仕事に頭を切り替えた。

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