Scene７ 実家 ページ33
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和也とヒロが実家を出て行った後、私は叔父さんとサナちゃんから事の顛末の次第を聞いて驚いた。
「えーっ！？そ、それじゃ、ヒロの夢って…東京転勤じゃなかったのー！？」
「ああ、そうだよ。ヒロは今の会社を辞めて、うちの設計事務所を継ぎたいと言って来たんだよ」
だから、それで代表者の変更…。
確かにヒロはお父さんや叔父さんみたいな設計士になりたいとは言っていたけれど…
え…うそでしょ…
まさか、そういうことだったなんて…！！
「で、でも…サナちゃん、結婚したら東京で共働きするんじゃなかったの…？」
「うん、共働きだよ！小笠原デザイン設計事務所の事務員さん！」
サナちゃんがにこっと笑う。
「サナ、来年からこの事務所の事務をさせてもらおうって思ってて。建築のことはわからないけど、一から勉強して、ヒロくんにずっとついていくって決めたから」
「あ、じゃあ、合格した場合の転勤の返事のというのは、東京について行くということじゃなくて…」
「うん。転勤を断ってもいいかって、ヒロくんに訊かれたの。春に会社を辞めて独立してもいいかって。
だから、いいよって。設計事務所を継ぐヒロくんに、サナもずっとついて行くって約束したんだよ。
ヒロくんが軌道に乗るまでは家計も苦しいかもしれないけれど、2人なら頑張れるねって」
じゃあ、なんだ…
あの時の話はそういうことだったんだ…。
「サナ、ヒロくんの夢を応援するお手伝いができるの嬉しいし、子供ができた後の子育てとか考えたら、今の旅行会社より自営業の方が融通も利くかなあって。
そしたら、叔父ちゃんの事務所の事務員さんが決まらないって聞いて、サナがやりたいってお願いしたの。叔父ちゃんに入院中から帳簿の付け方や計算の仕方を教えてもらっていたんだよ」
「ああ、おかげで、入院中の帳簿もばっちりだよ。ありがとうなあ」
叔父さんの言葉に、えへっとサナちゃんも嬉しそうに肩を竦めた。
そうか…
だからサナちゃんは、叔父さんの病室で言われた帳簿をすぐに見つけられたし、収支計算にも慣れていて…
だから叔父さんもヒロも、新しい事務員さんが決まっていないのに焦ったりしていなかったんだ…。
例えヒロの計画だったとしても、よく考えればわかること。
それなのに、私は1人で先走って、悩んで苦しんで。
ああ…
和也の言うとおり。
私は本当に何を勝手に思い込んでいたんだろう…！！
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kico(プロフ) - もちさん» あんな展開でしたから不安になりますよね＞＜言葉にせずに伝わることもたくさんあるんだけれど言葉にすることで初めて正しく通じることもあって…誤解や思い込みが重なりましたがちゃんと言葉にすることができてよかった^^＊もちさんありがとうございました！ (2019年9月28日 7時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - この2人はどうなってしまうのだろうか…と時々不安を感じながら、でも、きっと分かり合えると信じて読んでいました。お互い分かっているようで、やっぱり言葉として表現しないと通じないものだなと感じさせられました！ありがとうございます！ (2019年9月28日 4時) (レス) id: c96fed03c3 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - miさん» こんばんは^^読む専門で問題なしですよ^^＊このような妄想話を読んでくださっていることに感謝ですし、こうしてコメントまで…(嬉涙)ありがとうございます！書きたいことを好き勝手にだらだら書いていますのでmiさんの温かいお言葉が嬉しすぎて小躍りしています(//∇//) (2019年9月28日 2時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - こんばんは。いつも読む専門ですみません。丁寧に物語を進めてくださることで、情景や感情の動きがとてもわかりやすいです。2人が同じ未来を描いていける想いを重ねられることが何より幸せですね。続きのお話も楽しみにしています。無理をされませんように…。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: b388220049 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - 亜衣さん» 2人がこれからどんな未来を手に入れるのか^^＊だらだら好き勝手に独りよがりな妄想を晒しているだけのお恥ずかしい私ですのでとんでもない(苦笑)でも愛だけは籠めまくっていますので、ええ(エッヘン！笑)この先もまた一緒に共有して頂ければ私も幸せです(≧∇≦) (2019年9月27日 10時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年8月25日 6時
