Scene２ 玄関 ページ1
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「こちらのキャリーケースとトートバッグの2点ですね」
「はい」
すぐにやって来たマネージャーさんは、玄関先に置いてある和也の荷物を確認すると、一緒に並べて置いてある私の荷物にもチラリと視線を走らせた。
「この度は申し訳ありません。
こちらの都合でお忙しいAさんにまでご迷惑をおかけしてしまいました」
「あ、いいえ…そんな…」
「今からご実家に帰省されると伺っていますが…」
「はい。午後の新幹線で行くつもりです」
実家の話が出て、気に掛かっていたことを思い出す。
「あの…マネージャーさんにもお伝えしておいてほしいと二宮さんにお願いしていることではあるのですが、実は…」
若先生が言っていた興信所の話。
帰省してマサトとの関係を説明すれば、私の周辺を調べようとされるかもしれない。
マネージャーさんは私の話を聴くと手帳を取り出してメモを取り、承知しました、と頷いた。
「ご心配には及びません。念の為に情報屋を通じ先手を打って然るべき対処をしておきましょう。教えて頂きありがとうございました」
よかった…。
これで若先生にも心置きなくマサトのことを説明できる。
「お忙しいのにこのようなことで余計なお手間をいただくことになり申し訳ありません。よろしくお願いします」
「大丈夫ですよ。
二宮さんから後でゆっくり相談したいことがある、と言われています。恐らくは今の話も含まれているでしょう」
マネージャーさんの言うとおりだ。
そして、和也の話というのはきっと…。
「その時にお話があると思うのですが…私は実家の事情で、春から地元に帰ることになるのではないかと思います…」
手帳を閉じたマネージャーさんの手が止まる。
「……。そうですか…」
「しかし、二宮さんとは、離れてもこのままお付き合いさせて頂くつもりです」
マネージャーさんが、ふ…っと頬を緩ませた。
「お2人が話をして決めたことでしたら、私はそれを支持しますよ」
「ありがとうございます…！」
深く頭を下げると、手帳を仕舞ったその人は「礼には及びません」と笑顔で私の方へと向き直られた。
「Aさんも聞いておられるかもしれませんが…いま、二宮さんは闘っています」
「闘ってる…」
「試されているのです、事務所の上役たちに。
どれほどの覚悟を持ってAさんと交際をしているのか…本当にこれから先もずっとAさんの手を離さずにいるつもりなのか…」
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kico(プロフ) - もちさん» あんな展開でしたから不安になりますよね＞＜言葉にせずに伝わることもたくさんあるんだけれど言葉にすることで初めて正しく通じることもあって…誤解や思い込みが重なりましたがちゃんと言葉にすることができてよかった^^＊もちさんありがとうございました！ (2019年9月28日 7時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - この2人はどうなってしまうのだろうか…と時々不安を感じながら、でも、きっと分かり合えると信じて読んでいました。お互い分かっているようで、やっぱり言葉として表現しないと通じないものだなと感じさせられました！ありがとうございます！ (2019年9月28日 4時) (レス) id: c96fed03c3 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - miさん» こんばんは^^読む専門で問題なしですよ^^＊このような妄想話を読んでくださっていることに感謝ですし、こうしてコメントまで…(嬉涙)ありがとうございます！書きたいことを好き勝手にだらだら書いていますのでmiさんの温かいお言葉が嬉しすぎて小躍りしています(//∇//) (2019年9月28日 2時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - こんばんは。いつも読む専門ですみません。丁寧に物語を進めてくださることで、情景や感情の動きがとてもわかりやすいです。2人が同じ未来を描いていける想いを重ねられることが何より幸せですね。続きのお話も楽しみにしています。無理をされませんように…。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: b388220049 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - 亜衣さん» 2人がこれからどんな未来を手に入れるのか^^＊だらだら好き勝手に独りよがりな妄想を晒しているだけのお恥ずかしい私ですのでとんでもない(苦笑)でも愛だけは籠めまくっていますので、ええ(エッヘン！笑)この先もまた一緒に共有して頂ければ私も幸せです(≧∇≦) (2019年9月27日 10時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年8月25日 6時
