個別具体的 ページ12
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「んなの付き合ってんだから当然じゃん。オレだってオマエを縛り付けんだからお互い様でしょ」
「お互い様なんかじゃないよ！！和也は私と違って男なんだから…きっと耐えられなくなっちゃう…」
「なんでよ？」
「だって、離れてしまったら夜だけ会うこともできないんだよ！？
触れ合うことも体温を感じることもできない。いつ会えるかわからない…何カ月先なのかわからない…それがずっと続くんだよ！？ずっとだよ！？」
「まー、そりゃその時次第で人生ってのはいろいろあるでしょ。でも、それがどーしてオレが男なら耐えらんないってなんの？なんで？」
「なんでって…それが一般的な男性と女性の性別の差だと思うから…」
「一般論なんて必要ないよね」
「…え？」
「その一般的な男女の性別の差ってのがよくわかんないんだけど、要はAとオレがどーなのかって話でしょ？
アナタが言ってんのは、そーいう行為の話？…だったらAだってしたくても我慢すんでしょ？…って、え？まさかアナタ向こうで他の誰かとしちゃうつもりでいんの！？」
「…なっ！！かっ和也以外の人とするわけないでしょっ///！！！」
「なら問題ないじゃないよ(笑)」
「違うよ！！そういうことじゃなくて！！」
だめだ、気を抜くと和也のペースに乗せられてしまう。
「わ、私が言いたいのは、男の人は女性と違って…その、そういう欲求の種類が違うから…」
「へー、そうなの？ふーん。どーいう風に？詳しく個別具体的に説明してもらえません？」
「ええっ！？こ、個別具体的！？」
「そーだよ。だってこれが根拠だっつーからには、当然そんくらいはリサーチしてんでしょ？
はい、どーぞ説明してください。一般論じゃなくオレについての考察だからね。的確に。詳しく。
Aのどーいう表情にムラムラしちゃうとか、どーいう仕草に反応しちゃうとか…。アナタがどこまでオレのそーいうの理解してんのか、すっげ楽しみなんだけど」
「む、無理だよ！！そんなのわかるはずないじゃない！！！」
「だろーね(笑)。
そんじゃ“耐えられる”“耐えらんない”とか、オレのそーいうの、Aにはわかんないでしょーよ。はい、じゃそれが結論ってことで」
「う…」
こんな時ですら、やっぱり和也に口では勝てない。
悔しい。
でも、私が言いたいのはそういう単純な話じゃないんだよ！！
「そういうことじゃなくて…！！」
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作者名：kico
| 作成日時：2019年5月30日 12時
