カッコよさ ページ38
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もちろん、外見もカッコいいし、お仕事でもいつもカッコよくキラキラ輝いてる人ではあるけれど。
でも、決して目に見えるカッコよさだけじゃない。
もっと本質的な部分で、和也の考え方と言うか、生き方と言うか、他に対する向き合い方と言うか…
私が知りうる限りではあるけれど、そういう場面を傍でたくさん感じてきた。
「…努力するところは人に見せないし、本当に一生懸命お仕事してるし、すぐ意地悪言うけど本当はすごく優しいし。
私にとっては、そう言うところ全部含めてカッコよくて、愛おしいなって思う。
それにね。頑張り過ぎてた私に、“頑張ったり無理したりしなきゃなんない時もあるけど、オレの前では頑張りすぎなくていいんだよ”って、素の私を受け止めてくれた人なの」
「そっか…。
お姉ちゃんにとってはその彼氏さんがヒーローで、特別で…本当にその彼氏さんのことが好きなんだ…」
「うん」
「ね、本当にその人と結婚するつもりはないの？」
結婚…か…。
「うん…ない」
「どうして？」
「いろいろあってね。結婚はできない人なの」
「その人がそう言ったの？」
「そうじゃないけど…わかるよ」
「…じゃあ、その人もお姉ちゃんも一生独身ってこと？」
「うーんどうだろう。私はそうなっちゃうかな。
その人の方は、いつかは誰かと結婚しちゃうかもしれないけど…。でもね、私はそれでもいいと思ってるから…」
「えーっ！ダメだよそんなの！！ どうして！？今のさっぱりわかんない！！」
私の言葉に、サナちゃんの顔が辛そうに歪む。
「わたし、ヒロくんが好きだからずっと一緒に居たいと思う。好きな人とずっと一緒に居たいって自然なことでしょ？
Aお姉ちゃんは、その人と一緒に居たいと思わないの？」
それは…
「……」
「わたし、ヒロくんが他の人と結婚しても仕方ないなんて思えない！お姉ちゃんは平気なの？」
それは…私だって…。
「……。平気じゃないよ」
「だったら、どうして決めつけちゃうの！？
本当に一緒に居たいなら、居たいって言えばいいのに！」
言えるわけがない。
それが許される時に求められるのは、若くて可愛いお嫁さん。
その頃には、私はきっと、もう…。
「お姉ちゃんの気持ちちゃんと伝えるべきだよ！
他の人と結婚しちゃいやだって、ずっと一緒に居たいって、その人に伝えるべきだと思う！」
サナちゃんは足を止め、泣きそうな顔で私にそう言った。
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作者名：kico
| 作成日時：2019年1月18日 12時
