ネタ晴らし ページ22
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「……。センター長さんのことだったんですか…」
「まさかこういう縁があるなんて思わなかったな。どこでどんな繋がりがあるかなんて、わかんないものだね(笑)」
「……」
驚きすぎて二の句が告げられない。
「相手が小笠原さんなら、折角だから“実際に会ってビックリ！これって運命！？”的な出会いでも演出してみようかと思ったのにさ。
話があったのが一昨日なのに、昨日すぐに手のひらを返して『すまんが、この話は無かったことにしてくれんかのう！』って若先生からお断りの電話があるじゃない。ええっどういうことだよ！？俺何かしましたか！？ってね」
うっ…！
「会ってもないのに断られるってひどくない？俺すごく嫌われてるんだろうなって―――」
「すみません！！」
頭を下げて全力で謝った。
「お相手の方が理由でお断りした訳ではないんです！！
最初からそのつもりが全くなかったのに、断り切れずに話を一旦持ち帰ってしまった私がいけなくてですね。若先生が良かれと思って話を進めておられたのを、翌日に私が正式にお断りしてしまったのでこんなことになってしまって…。
お相手にも関心がなくてお名前も経歴も何も訊かないままでしたので、まさかセンター長さんのことだとは思ってもみませんでした。大変失礼しました！！」
「知ってたら会ってくれてたの？」
「えっ？あ、いえ、そういう訳ではないですけれど…」
「正直だね(笑)」
またふふんと笑われた。
ああ…その笑い方は、やっぱり和也を想い起こさせる。
「あの…私にはお付き合いしている人がいますので、他の方とお見合いなんてするつもりは全くないんです。だから…」
「大丈夫ですよ。わかってましたから」
「…え？」
…わかってた？
「それにね、今日の小笠原さんの態度を見ていれば、きっと何も知らないままなんだろうなと推測はできましたからね。
だとしても、俺ばっかり凹まされて、小笠原さんが平然として“はい、これでさようなら”っていうのは悔しいじゃない。だから、ここでね。ほんのちょっとだけネタ晴らし(笑)」
顔見知りの相手だったら、会う前に袖にされたのは嫌われている意思表示だと受け取られてしまって当然だ。
だとすれば…さぞかしセンター長さんを不愉快にさせてしまったに違いない。
申し訳ありませんでした！ごめんなさい！…と平身低頭で謝罪すると、センター長さんは「いやいや、頭をあげてくださいよ」と苦笑された。
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作者名：kico
| 作成日時：2019年1月18日 12時
