最終日 ページ20
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翌日の土曜日は、会議の最終日。
朝からバスに揺られて、地元テレビ局へと向かう。
今日はヒロは一日中仕事で、私が会議終了後に1人で病院に寄って帰ることになっている。
一番の気掛かりは、本当のことを伝えて叔父さんの前向きな気持ちに水を差してリハビリに影響が出てしまうこと。
まずは、若先生にマサトとの実際の関係をきちんと説明して…
それから、若先生のアドバイスを踏まえたうえで叔父さんに話をして…。
大丈夫かな…。
やっぱり不安はあるけれど…。
携帯を取り出してメール画面を開いた。
『お疲れさん。んじゃ頑張れよ！！』
昨日の和也からのメールを読み直すと、力をもらえるような気がする。
そうだよね。
私も頑張らなきゃだよね。
昨夜の感じじゃ今夜も電話ができるような状況じゃないのかもしれない。
でも、こうしてメールという連絡手段はあるんだし。
会えていないのだって、元はと言えば、私があの時会うのを先延ばしにしたからだ。
こっちに居る日数も、今日で残り半分。
火曜日には東京に戻るから、明々後日まで待てば和也に会える。
よし、頑張ろう。
和也だって頑張って仕事をしているんだもの。
私も今は会議のことだけ考えよう。
気持ちを引き締めて、私は地元テレビ局の玄関を入った。
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最終日である2日目の議題は、初日の意見交換を踏まえた上での、具体的な実務におけるDBシステム構築と運用について。
驚いたことに、前回指摘させてもらった問題点は全部クリアされていて、スムーズに次の段階についての議論を交わすことができた。
資料も的確にまとめられていて、他の皆さんの話では、どうやらセンター長さんが頑張ってくれたらしい。
会議は最後まで滞りなく進み、私の伝えられる意見はすべて伝え終えて、予定通りに無事終了となった。
「小笠原さん、忙しい時期なのに、東京からはるばる来て参加してくれて、本当にありがとうね」
「いえ、私もこちらで意見交換をさせていただいて、初心に戻れた気がします。いい勉強をさせてもらいました」
「そう言っていただけるとね、こちらもありがたいですよ」
センター長さんに送られて社屋の玄関まで降り、改めて最後のご挨拶をする。
「ここで結構です。
センター長さんには最後までお世話になりました。ありがとうございました」
「こちらこそですよ。おかげでいい会議になりましたから」
人懐っこい笑顔のセンター長さんがにっこり笑った。
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作者名：kico
| 作成日時：2019年1月18日 12時
