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ちょうどその頃、彼女はアイちゃんと緑の屋根のパスタ屋で食事。
お誕生日を祝ってもらって店の前で別れ、近くの路地にある高級料理屋の前を通った時に料理屋から出てくるすずなを目撃。
駐車場で人目もはばからず「二宮さんとご飯を食べて、何がいけないの！？」と男性マネージャーに食って掛かってたしなめられている様子に、すずなと彼が料理屋で食事をしたことを知る。
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彼の帰りが遅くなってもいいから…と、彼のマンションで待つことにしたA。
彼との関係は安定している。
仕事の打ち合わせだと言っていた。きっと打ち合わせでご飯を食べただけのこと。
ただ…相手を知って面白くないだけ。
ミイナさんの話をした時に「妬くなら小出しにしてね」と言われたけれど、小出しにする方法もわからない可愛げのない性格。
仕事だもの、妬く方がおかしい。
モヤモヤした気持ちを振り払いたい。
彼への気持ちで心をいっぱいにして嫉妬など忘れたいと、彼を待つ。
すぐに彼が帰宅。
今日はごめん、と。
ううん、仕事だもん仕方ないよ、と笑顔を見せるA。
だが、彼にすれば…
本当に仕事だったら、約束をキャンセルしたことを笑顔で許してくれて有難いと素直に思えたのに、実際はすずなの子供じみた策略で。
もし、Aが知ったら少しは妬いてくれたりすんのかな？と。
つい軽い気持ちで「それがさ、仕事の予定が変わって完全プライベート。実はグラドルと飯食ってきた」と意地悪な言い方をしてしまう。
直後に「なーんてね。実は…」と事実を伝えようとする前に。
彼女が困った顔で微笑んで「私…そんなの嫌だな…」と。
人脈や力関係など、芸能界には芸能界独自の特殊な事情があるとわかってる。
だから、仕事やお付き合いの関係でやむを得ないこともあると思う。
それはちゃんと理解しているつもり。
でも…完全プライベートなら話は別だよ。
4階ですずなさんと親しそうにしているところを見てしまった。
仕事や何か理由があるなら理解できるけど、和也のことを慕っている女の子とそれ以外で必要以上に触れ合ったり、2人で仲良く食事に行ったりしてほしくない。
和也は、私に他の男の人との食事は事前予約の許可制だって言ったじゃない？
私だって同じ気持ちなんだよ！？と。
穏やかだが苦しそうな笑顔。
…嫌な思いをさせてごめん、軽い気持ちでちょっとからかったつもりだった。
全然そんなんじゃないから…と腕を引かれて、胸に閉じ込められた。
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作者名：kico
| 作成日時：2020年7月15日 20時
