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自分でもよくわからない。
一緒に居られるだけで幸せだと本心から思ってる。
2人の未来に確約なんてまだなくて当たり前。
和也の気持ちもこの手も信じてる。
それなのに、なぜだろうミイナさんから和也の気配を感じたら、もやもやした気持ちになってしまった。
好きな気持ちは我が儘だ。
十分幸せなのに、心のどこかで、もっと彼を知りたい、もっと彼と分かち合いたいと思ってしまう欲深い自分がいる。
もっと余裕を持っていたいのに…。
バーカ、そんなのオレだって。
言ったでしょ？オレもAをもっと知りたいもっと欲しいと我が儘に思ってんだからおあいこじゃん。
ううん…きっと私の方が重いよ。
や、オレも負ける気がしませんって。
私は和也の倍重いもの。
オレはオマエの10倍重いからね。
じゃあ私は20倍だよ。
10000倍。
……。
……。
譲らずに見つめ合って、思わず苦笑し合う。
はー！こわっ！バカップルかよ！
ほんとだね。
自然に笑うと楽になった。
「…余裕ってのはさ、いつの間にか気付いたらできてんのを指してそー言うんじゃないの？」
無理して作る余裕なんて意味ないじゃん。もはやそれ余裕とは別の何かだよ、と笑われた。
オレは今のAがいいの。
そのアナタが本心からこう在りたいと思って頑張ることならオレは支持する。
だけど、今のアナタ自身を否定する必要なんてどこにもないよ、と。
きゅっと手を握って見つめられて。
「極論、オレの手さえ離さないで居てくれんなら、余裕だって何だって思う存分Aの納得いくまで欲深くどーぞ。オレがちゃーんと見ててあげる。
それが違うって思えば今みたいに言うし、いざとなればオレが引っ張って戻したげるよ」
Aの言ってることは逆なんだよ、と。
「しっかり見ててよ。
オレがアナタのこと見てんのと同じように、オレのこと見てて。オレ、Aにだけはオレのことちゃーんと正確に知っててほしい」
「和也…」
鼻がツンとする。
「うん…見てる…」
「よし」
「和也をずっと見てるよ…」
「ん、頼んだから」
「ずっと…ずっとずーっと和也を見てる。見て知り尽くしたとしても、ずーーっと傍で見てるんだから…」
「おーいいよ。望むところだな」
「和也が“もう見んな”って言っても、和也以外は見れないよ私？」
「当然でしょ。んなこた言いません。だからずーっとAの気が済むまで見てなさいよ」
微笑んでまっすぐに伝えるAに、彼も口角を上げた。
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作者名：kico
| 作成日時：2020年7月15日 20時
