リベンジ ページ3
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「へえー…。これ、全然アリだな…」
「うん。女将さんが教えてくれたんだけど、シェリー酒にもいろんな種類があるんだって。これは良く冷やして飲むフレッシュな辛口タイプらしいよ」
女将さんから聞いたウンチクをちょっとだけ語ってみた。
「種類によって味や色も違っていてね、色も熟成度が増すほど褐色が強くなるんだって」
「ふーん」
唇を突き出しまんざらでもない顔でグラスを翳して眺めている和也に、口元が勝手に綻んでくる。
よかった、美味しく乾杯できて…。
去年はド素人が選んだ渋すぎるほど渋い赤ワインだったもの。
グラスを置いて、1人したり顔で満足していると…
「去年の誰かのセレクトとは全く対極じゃないよ(笑)」
私の心の中を読んだかのようなタイミングで、同じことを思い出したらしい和也が、グラスを手にニヤニヤ覗き込んできた。
「なによー」
むーっと軽く睨んではみたものの。
まあ…
去年のあれは失敗だったと自分でも思うから、それ以上は言い返せない。
「いいの。去年は去年、今年は今年だもん(笑)」
小鉢のナスの揚げびたしをいただいて、もうひと口こくりと飲んだ。
うん。
やっぱり美味しい。
小鉢とすごくよく合ってる。
最終的に選んだのは私だけれど、きっとどちらを選んでいてもハズレにならない択一だったんじゃないのかな。
女将さんに感謝しなきゃだ。
「今年はリベンジできたから、よかった」
ふふ…っと笑ってグラスを置くと。
私の隣の和也も、ひと口飲んで「あーうまいわ」と顔を顰めて口角を上げた。
「言っときますけどね、去年のあの渋っぶいのが失敗だなんて、オレ全く思ってないから」
「ありがとう。でも、あの渋さはシャレにならなかったよ(笑)」
「あれはあれで、正解。…ってか、あんな渋っぶいワイン、飲もうったってそう簡単にゃ飲めないんだからさ。寧ろラッキーなんだって」
「うーん、そうかなあ…」
「それにね。ちゃーんとそれ込みで堪能させてもらいましたんで」
「…？」
首を傾げる私の耳元に和也の顔が近づいて、吐息のように小さな囁き声で。
「…渋くても、すっげ甘くて…濃厚なヤツ頂いちゃったからね…」
「なっ…///！」
2人きりの店内、女将さんや店主のおじさんは奥にいるから聞こえてないとわかってるけれど！
「そ、外でなんてこと言うのよ///！！」
かあーっと熱くなった頬で慌てて言い返したら、くくっと可笑しそうに肩を揺らされた。
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kico(プロフ) - あさひさん» あさひさんコメントありがとうございます！某その節は「もう続きは書けない＞＜」って散々愚痴を零してましたもんね(苦笑)^^;このタイミングで書けて良かった。今の幸せな2人を見届けてくれてありがとう(*´ω`*)大感謝です(感涙)！ (2019年10月27日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - kicoさん、素敵なお誕生日のお話ありがとうございます！今の二人が変わらず幸せで、私も幸せですー！定食屋さんのお話、もう読めないかなと思っていましたが、読めて嬉しいです！YELLOW MAGIC 読み返してきます！ (2019年10月26日 12時) (レス) id: 1753a678de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年10月11日 18時
