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「わ、すごい…」
降りて裏庭に廻ると、テラスに面した広い芝生の庭には、沢山の桜の花をつけた大きな桜の木が何本もある。
多分、満開は少し過ぎたのかな…？
かなり花弁が落ちている。
誰も人がいない裏庭。
黄緑色の芝生に広がったまだ踏み荒らす人のいない花びらのカーペットは、薄紅色の初雪みたい。
緑とピンクのコントラストがとても綺麗。
それでも、大きな桜の木にはまだ沢山の花が咲き誇っていて、次から次へとさらに花弁が風に舞って落ちていく…。
「はー…相葉さん、ちょうど満開だっつってたけど、これ、もう満開は過ぎてんな…(笑)」
和也が桜を見上げ、んー…と大きく伸びをして、コキコキと音をさせた。
「でも、まだいっぱい花が残ってるし、すごく綺麗だよ？
咲いてるところも、散ってるところも、降り積もってるところも…桜の美しさを一度に全部見れるんだから、お得かも」
思った通りに感想を伝えただけなのに。
和也はクハッと声を出して笑う。
「なによ///」
「や、ほーんと、お得でなによりだなーってね(笑)」
「またバカにした///」
「だからさ、してないんだって(笑)」
「すぐそうやって笑うんだから…」
いいもん、もう慣れっこだしね。
桜を見上げた私を楽しそうに追って、和也も目の前の桜を見上げて呟いた。
「…ま、そんならいーや」
「ん？なにが？」
「相葉さんにしちゃ上出来だったなー…ってこと(笑)」
「？…さっきと言ってることが違うよ？」
「あら、そ？……よっと！」
話を受け流しながら、和也はテラスの手すりを掴んだかと思うと、軽々と足を掛け、ひょいと手すりを乗り越えた。
「え、ちょっと！」
「ふーん…やっぱ上がると視点が全然変わんだなー」
スタスタとテラスを歩いて、よいしょ、とウッドデッキに腰掛けた和也は、桜を見ながら１人で頷いている。
「ねえ、勝手にそんなところに上がっていいのー？」
「いーんじゃないの？
あっちの隅から階段で裏庭から簡単に上がれるようになってんだし、建物の鍵まではＪから預かってないけど、ちゃーんとオレら５人名義で借りてんだもん。
長い時間同じ姿勢で運転すんのも、ずーっと立ちっぱなしってのも、どっちも腰に悪いじゃん？今のうちに楽な姿勢で腰を休めとかないと、もう動けなくなっちゃうからね(笑)。
…あー、マジでこのデッキ座り心地いいわ」
和也は勝手なことを言いながら、足をぶらぶらさせて寛いでる。
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kico(プロフ) - ゆうきさん» 初めまして。自己満足で書いてきた勝手な妄想ですが楽しんで頂けたのなら嬉しいです。もう新しいお話は書きませんが、いつかどこかで何かのご縁があった時には♪どのお話にも愛だけは目いっぱい籠めて書いてきました。最期まで読んでくださってありがとうございました^^ (2020年10月12日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 初めて送ります…ウラつく読者デビューは、この作品でした。とても楽しく読ませて貰いました。もっと読みたいなあと言うのが正直な気持ちです。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 62321c58f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2016年3月26日 12時
