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こくりと小さく頷いて、薄い唇がスプーンの半分ほどを覆う。
もむもむとリスの様に動く頬と小さい一口を眺めながら、食ってるところってどんなときでも可愛いんだな、と相変わらず外に出すことない自我が膨れた。
「ごちそうさまでした」
「ん。」
ありがと、と嬉しそうに小さく笑う柔っこい頬を触るのを我慢し、言われた棚から常備薬を取り出す。
無事薬を飲み再び毛布へ潜り込んだ彼女は指先だけを出し、俺を見上げそれを催促するように伸ばした。
「……渉くん、…手、」
言われるがまま、枕元に腰を下ろし差し出した俺の片手を包むみたく両手で握り込んだAは目を閉じる。
余りの可愛さにドッッと勢いよく心臓が血を送り出し空気をのみこんだ。俺もほとほと重症である。
「…きてくれて、ありがとね」
長い睫毛を見つめていたが、面目なさそうに呟くから唇へと視線が移る。
熱のこもる指先がすりすりと手の甲を撫でるのをまたのんびり眺め、気にするなと握り返した。
「…明日ちゃんと休みもらったか？」
「うん。」
反対の手で頭を撫でると、心地よさそうに受け入れてうすらと開いた瞳が伺う。
「…渉くんも、お家のことしなきゃだね」
明日もお仕事だしね。とまるで言い聞かせる様に呟くAの手が離れ、のんびり微笑む。
いつもよりも弱く俺を捉える瞳がたまらなくて、頬を撫でた。
「大丈夫だから、もう寝ろ。よくなんねぇぞ」
「……私が寝たら、ちゃんと帰っていいからね。」
再び束のあるまつ毛があらわになって、先ほどまで強請っていた小さな手が毛布を引き上げた。
触れたそうに動く指先がしゅんと縮こまるのが幼気で、口元が緩む。
「わかった。お前が寝たら帰るから。さんきゅな」
「ん、約束よ。…ありがと渉くん」
おやすみを告げてしばらくで、彼女の甘く柔い声は規則正しい寝息へと変わる。
起こさないようにそっと離れて扉を閉め、スポーツドリンクやゼリーなどの購入品を冷蔵庫へ閉まい家を出た。
「一緒に住みてぇけど、まだ金足りねぇしな…」
車内でしばし考えた後、それは帰宅のBGM替わりとなり緩く思考を巡らせたまま帰路へ着く。
翌日夕方には回復を伝える電話がかかってきて、胸をなでおろすのだった。
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み(プロフ) - 啄木鳥さん» はじめまして、ｺﾒありがとうございます！沢山お褒め頂きとｯｯｯても嬉しいです!!拓海くんもかっこよくて素敵な子ですよね😍いつか拓海くんﾒｲﾝのお話も書けたらいいな〜と思っております。お優しい言葉の数々とても励みになります！啄木鳥様もご自愛ください！ (6月26日 8時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
啄木鳥(プロフ) - まだまだ書きたいこと沢山ありますが、感想欄が大変なことになってしまいそうなのでここらで失礼致します^^; (6月23日 0時) (レス) id: 6174efd67c (このIDを非表示/違反報告)
啄木鳥(プロフ) - 作者さんの文才溢れすぎてて、、元々拓海推しの人間ですが、この作品を拝見して渉推しになりつつあります、、、！！ほんとにほんとに素晴らしい作品ありがとうございます！！お体に気をつけて更新楽しみにしております！！ (6月23日 0時) (レス) id: 6174efd67c (このIDを非表示/違反報告)
啄木鳥(プロフ) - 最近頭文字Dにハマり 出して、楽しんで読ませて頂いてます！！ストーリーも原作に沿いつつ甘々要素もあり、とても幸福感で満たされております… (6月23日 0時) (レス) id: 6174efd67c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2023年3月15日 11時
