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Ki side
2)みつ！
バンっ！と扉が開いて、聞いた声が飛び込んでくる。息を切らして、汗をかいて、ここまで走ってきたのがすぐわかった。
「にか、いど？」
ぽかんとその姿に声をかける。膝に手をついてはぁはぁと息をしていたニカが俺たちの方を向いたかと思うと素早く近づいてぐいっと俺を引き寄せた。その拍子に握られた手が離れていった。
2)なんで！勝手に二人になったりするの！ちゃんと言ってって言ったのに！
俺と藤ヶ谷の間に入って俺の方へ向き直ると、息も切れ切れに怒りの言葉が飛んでくる。その迫力になんで来たのかとか、何でそんなに怒ってるのかとか、聞きたいことは思い浮かぶのに言葉として出てこない。
「…ごめ、」
2)ほら帰るよ！はやく！
やっと出てきた言葉は謝罪の言葉だったけれど、それも最後まで言わせてもらえず、俺の腕を引っ張って歩き出す。
「ニカ、」
ずんずんと進んでいたニカが扉に手をかけたとき、先程から黙ったままだった藤ヶ谷の声が静かに響いた。ドアノブに手をかけたまま振り返ったニカの顔はほんとに怒っていた。俺のうしろに居るはずの藤ヶ谷を真っ直ぐに見る目が怖かった。
2)…卑怯じゃない？こーゆーの。ミツが断らないって分かってたでしょ
………
2)そーゆーとこ。ほんと勝手だよね。自分は大事なことなにも言わないくせに。傷つけるだけのくせに。
……
なんだ？どういうこと？お前やっぱ藤ヶ谷となんかあったの？傷つけるってなにを？誰を？
「に、か？なに、なんのはなし、してんの、」
2)ミツはなんにも言わないで。分かんなくていいから。さ、いこ？もう帰ろう、ね？
藤ヶ谷を睨み付けたあと、強い視線のまま俺に目を向けて、はやくはやくとドアを開けて先に部屋の外へ出そうと背中を押してくるニカ。
「ちょ、ニカ、」
「ニカ、」
ニカの後ろからまた、あいつの声がした。
「ちゃんとする。だからチャンスちょうだい。」
2)それは俺に言うことなの？そこからまず考えなよ。
呆れたような声でニカはあいつに吐き捨てて、それから俺を控え室から押し出した。アイツの顔は、見えなかった。
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imtr(プロフ) - まいまいさん» まいまいさん コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しいです！もう少し続いていきますので、引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年5月23日 18時) (
レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - えー、わからない…続きが読みたくて読みたくて気になりすぎです！！面白いです。続き楽しみにしています！ (2021年5月23日 0時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：imtr
| 作成日時：2021年5月19日 12時
