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Ki side
夢でもし逢えたら、なんて。例え視界に入れてもらえなくても、言葉を交わさなくても、同じ空間にいる。その存在を目の前で見ることができる。それだけで、きっと、
「素敵なことね、」
2)え、なにが?
「んぁ?」
2)素敵なことね、って。みつが言ったんでしょ?
「おれそんなこと言った?」
2)えぇ?ぼけたの?はやくない?
「うっせ。」
無意識だった。俺、なに考えてたんだっけ?というよりそもそも呟いた独り言を拾い上げる方がおかしいのだ。それほどに近い、ということか。伸びをする振りをして立ち上がってからふらりと距離をとろうとした。
2)みーつ
くんっと服を引っ張られてソファの方へ引き戻される。
2)どこいくの?
「…喉乾いたから水とるだけ。」
2)ふーん、そ。
興味がないような返事をしながら、捕まった手の力だけがどんどん強くなる。
「…痛い」
2)はやく座ってよ
「水、」
2)俺がとってあげるから。
……
これ以上は面倒なことになりそうな気がする。大人しく従っておいた方がいいか、と大人しくソファーへと座り直す。
2)うん。いい子。
そう言って頭を撫でて、言った通りによこーさんと藤ヶ谷の近くに置いてある水を取りに席をたったニカは、ここ最近ずっとこんな調子で俺のそばを離れない。
『俺がみつを守ってあげる』
何をバカなことを言い出したのかと思っていたけれど、アイツのなかでは大真面目だったらしく、仕事が同じときは四六時中一緒にいて、別の仕事のときは電話やメールが頻繁に来るようになった。いったい何から俺を守ろうとしてるんだろう。
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imtr(プロフ) - まいまいさん» まいまいさん コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!もう少し続いていきますので、引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年5月23日 18時) (レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - えー、わからない…続きが読みたくて読みたくて気になりすぎです!!面白いです。続き楽しみにしています! (2021年5月23日 0時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:imtr | 作成日時:2021年5月19日 12時