【鬼滅の刃】藤の華 -弐-

卌漆話 ページ5

その姿を見て鬼は呆然とした。




この兄弟は…本当に頑固であることが今日でわかった。



人の為に動きすぎる、私も人のことを言えた立場ではないのかも知れないけど。






禰豆子ちゃんが加えている竹からミシミシと音がする。


ついに噛み砕いてしまい、砕かれた竹は地面に落ちた。


暴走する前に止めてしまわないといけない。




禰豆子ちゃんを羽交い締めにする。









「禰豆子ちゃん、だめだよ。

せっかく兄上が頑張っているんだ、

君がそうなってしまったら 兄上だけじゃなくて他の人の命も喪ってしまう。」









それでも尚鬼の方へ向かおうとする。



禰豆子ちゃんを止めつつ鬼の被害も減らす方法を考えなくてはならない。





鬼がこちらを攻撃しようとしてくる。






一旦禰豆子ちゃんを離して攻撃をしようかと考えた時、

禰豆子ちゃんは鬼の方へ向かおうとした。






ある程度であれば力を上手く受け流したり、込めかたを状況に応じて変えることも可能だけど、


流石に鬼に本気の力で抵抗されて尚止めていられる筋肉は持ち合わせていなかった。






鬼の攻撃を避けようともせず、真正面から向かっていったため 再び脚は斬り離された。



そして帯は禰豆子ちゃんの頸を狙おうとした。




禰豆子ちゃんにこれ以上負荷がかかると本格的にまずい、

考えるのと同時に 帯を斬り落としにかかった。





が、その刀とほぼ同時に先程斬られた脚がすぐさま再生して 鬼に攻撃しようとした。








(日輪刀はいけない…！)









禰豆子ちゃんは先程帯を無視して攻撃していた。
今回も同じように刀があることを気にもとめず、足を振り下ろそうとした。



禰豆子ちゃんを斬るわけにはいかないので、一旦刀ごと身を引く。






これ程自分が速さを極めていてよかったと思うことはなかった。

可愛い後輩の妹君の脚を斬らずに済んだ。








「げぅっ…‼」









振り下ろされた脚は鬼の背中を貫通したようだ。



そしてもう一度脚をあげ、ふみつけようとした禰豆子ちゃんの顔は正常とは言えなかった。






止めなければ、禰豆子ちゃんだけでなく 近くの人まで被害にあってしまう。







激昂した鬼は声を荒げ、帯で攻撃を仕掛ける。




仕掛けられる前に、帯を切断しに向かう。

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