【鬼滅の刃】藤の華 -弐-

漆拾弐話 ページ30

「お館様にそっくりでどう対応していいのかわからないと仰っておりました。

素性が明らかになれば、もう少し変わるかもしれません。



鏑丸くんとは仲良くなれそうです。」









鏑丸くんが擦り寄ってきてくれた、と話すといつも通りの優しい笑顔で よかったねと言ってくださった。









「最後に柱としての呼ばれ方についてなんだけどね、

Aは光の呼吸の使い手だから 光柱でもいいとは思ったんだけど…




産屋敷一族として、輝くの字を使って“輝柱(あきばしら)“とさせてほしい。


これは私の傲慢にすぎないから好きにしてくれて構わないよ。」









お館様の御子息、従兄弟の輝利哉にも付けた一字を私にも与えてくださるおつもりなんだろう。


なんと喜ばしいことだろうか。









「有り難き幸せに御座います。

一族としても、その名に恥じぬようこれからも精進してまいります。」









「うん、Aなら大丈夫だと信じているよ。



明日は念のために休養できるようにしておくからゆっくり休むんだよ。

わかったね？」









最後まで私の心配をしてくださったお館様に、御自愛いただけるようにと挨拶をしたのち 屋敷を後にした。









自宅に着くと、休むより先に文を取り出した。





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桑島慈悟郎様



謹啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

いつもご高配をいただき、誠にありがとうございます。





この度は、柱に昇進致しましたことをお伝えしたく 文を書いた次第に御座います。

桑島先生のお教えのお陰で、柱まで登りつめることが出来ました。


心より感謝申し上げます。






末筆ながら、ますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。


謹言



藤堂A

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