【鬼滅の刃】藤の華 -弐-

漆拾話 ページ28

「失礼致します。


この度は押しかけるような形となってしまったことお許しください。


お館様、ご容態の方は如何で御座いましょうか。」









「大丈夫、少し咳き込んでしまっただけだよ。

心配させてしまったみたいだね。



私こそ任務を終えて疲れているだろうに、すぐ呼んでしまってごめんね。」









お館様の方が苦しいはずなのにも関わらず私の心配をしてくださる。


挨拶を終えると上弦の陸がどういう鬼だったか、どういう倒し方をした など詳細を伝えた。









「そうか、A良い師範をもったね。


禰豆子には感謝しなくてはいけない、三人もの命を救ってくれた。」









「はい、本当にいくら感謝してもし足りません。




それから……もし気分を害されてしまったら申し訳ございません。

妹の方の鬼にですが、私の容姿が鬼舞辻無惨に似ていると そう言われてしまいました。」









それを聞いたその場の全員が一瞬固まられた。


鬼舞辻無惨の手掛かりに繋がりはするが、私とそっくりなお館様が嫌な思いをしてしまわれるかもしれない。









「…辛かっただろう、Aは私たちとは違って鬼と直接対峙する。

それ故に嫌な思いをさせてしまったね。



大丈夫、Aは姉上にそっくりだよ。

それから私にもね。」









「ありがとうございます。

母やお館様に似て産まれることができたのは誇らしく思っております。」









鬼舞辻無惨の手掛かりになるとはいえ、きっと容姿が似ていると伝えるのは柱の方々だけになるだろう。



一応全て話終えたので、伊黒さんにお会いしたことも伝えた。



お館様は全てを聞いてくださると、少し間をあけて口を開かれた。









「天元や小芭内に聞いているだろうけど、Aには柱になってもらうね。

天元がまだ教えきれていないことがあるからと少し遅れたけれど、柱になること了承してもらえるかな？」

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