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当日。
約束された時間が近くなると段々と柱の皆様が私の屋敷に集まってきてくださった。
もちろん他の方と冨岡さんのことを話すために本人は少し遅れた時間に伝えている。
冨岡さんを覗いた六人が揃うと話を進めていく。
「お忙しい中わざわざ集まってくださってありがとうございます。
伝えていると思いますが、今日は冨岡さんを笑わせるという体で集まっております。
どうしても馬が合わないという方はあまり積極的でなくとも構いません、以前のように接触禁止なんてなってしまうのは避けたいので。」
少しバツが悪そうにする不死川さん。
きっと以前もそうなってしまったことでお館様に心労をかけたと思っているからだろう。
「と言いましても、本日は皆様のお好きな料理を作って共に食べるというだけですので そんなことにはならないとは思いますけれど…」
「ねぇ、Aさん。」
隣に座っていた無一郎くんが袖を引っ張りながら声をかけてくれた。
顔をそちらに向けると、大きな目で見つめられる。
「…胡蝶さんと甘露寺さんに聞いたけど、なんで自分の好きなものは作らない予定だったの?」
昨日のことをもう知られていることに驚いた。
今日作っている最中に誰かに聞かれることは想定していたけれど、この話し合いの段階だとは思わなかった。
「ごめんなさいね…?私たちAちゃんにも好物を作ってあげたいと思って皆さんに聞いちゃったの…」
蜜璃ちゃんが眉を下げてそういった。
しのぶさんの方もみると同じように眉を下げて微笑んでいらした。
その姿に驚いたのとそんな風に思わせてしまったことに申し訳なくなって、すぐに返事をする。
「謝らないで。
わざわざ皆様に聞かせてしまったんだね、ごめんね。
私のためにそこまでしてくれてすごく嬉しいよ、ありがとう。」
「いえ、勝手にしたことなのでAさんも謝らないでください。
冨岡さんが来るまでに話すのもそんなに時間がかからないと思っていたので今から準備すれば間に合います。
買い出しもここに来るまでに済ませてあります。」
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作者名:ヒイロ | 作成日時:2020年4月21日 19時