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「二人とも理想とかあるのかしら?」









「理想か…考えたこともなかったね。」









理想の殿方など考える暇もなかったので、いざ聞かれると出て来にくい。









「そんなに悩まなくてもいいと思いますよ。

きっといつかわかりますから。」









しのぶさんが優しく声をかけてくださった。


そうですね、と返すとまた微笑まれた。









「蜜璃ちゃんはどうなんだい?」









「えっ、私は…そうね……」









少し照れ臭そうに下を向く、本当にごく普通の少女のような彼女はさぞ人に好かれるのだろうな。


少し経つと頰を染め、はにかみながら答えてくれる。









「私より強い殿方、やっぱり守ってもらいたいもの!」









「確か鬼殺隊に入ったのもそれが理由でしたね。」









優しく微笑みながら返事をするしのぶさんを見てさらに頰を薔薇色にする。









「そうなの!


添い遂げる殿方を見つけるために入ったのよ、おかしいかもしれないけど…」









「私はそうは思わないよ。」









「本当…?」









「蜜璃ちゃんらしくて素敵だと思う。


それにそう思って鬼殺隊に来てくれたから出会えた。

私が言うのもおかしいけれど、ありがとう。」









私がそういうと、調理していた手をすっと止めてしまった。


何かおかしいことを言ってしまったのかと思っていると しのぶさんが手を添えて微笑んでくださった。









「違いますよ。


全く貴女はずるい人ですね。」









困ったように笑うしのぶさんを見ていると、蜜璃ちゃんが堰を切ったように泣き出した。

慌てて寄って背中をさする。









「ありがとーー嬉しいよぉぉぉ!


私、私……鬼殺隊に入ってよかったぁ!」









「……そう言ってもらえてお館様もきっと喜んでいらっしゃるよ。」









蜜璃ちゃんは泣いてる途中に ふと我に返って恥ずかしそうに こんなことをしている場合じゃないわね、ごめんなさいね? と言って 身の周りを整えるとまた調理に戻った。




人とこんなに賑やかに楽しく料理をしたことがなかったため、なんだか不思議な感覚になりながら今日やるべきことをなんとか任務までに終え 二人を送り出した。

明日どうなるか少し不安もあるけれど、今日の楽しさを考えれば 楽しみだ。

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作者名:ヒイロ | 作成日時:2020年4月21日 19時

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