天女(ガチ)かと思った【rkrn】 (ページ4)

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3話ページ4

「＿＿！！＿＿」

誰かの声がする。ずっと遠くから聞こえてくる。ゆっくり目を開けると、木製の知らない天井があった。ふと視線を横に移すと、随分古い薬棚のようなものが鎮座している。

「あ、目が覚めたんですね！」

さっき来たのか、それともずっとここにいたのか。茶髪で緑の頭巾を被った、私と同い年か年上のお兄さんが私の顔を覗き込んでいた。………この人もまた、不運な保険委員長、善法寺伊作にそっくりで。

「急に森で倒れられたそうですが……何かあったんですか？」

むしろこっちが聞きたい。自転車押して帰ってたらいつのまにか森の中にいて野垂れ死ぬ寸前でした、なんて話本人が理解できてないのに誰が分かるのだろうか。

……でも、大体自分が置かれている状況が分かってきた、いや、分かってしまったかもしれない。

『ここ、は……？』

「ここは少し大規模な寺子屋…の中の医務室です。何もしないので安心してください」

『……今って、何年ですか』

「今？今は15◯×年ですけど……まさか記憶障害ですか！？倒れたときに頭を強く打って…！！」

CV置◯龍太郎は深刻そうな顔をしている。あぁ、嫌な予感は当たってしまった。

私の嫌な予感。それはトリップ説だった。

不思議なことにそれならなんで突然森に飛ばされたのかも説明がつくし、キャラクターそっくり…もとい本人たちがいるのも頷ける。そういや私が来て助けてもらうまでの流れも、夢小説サイトで親の顔より見た忍たま天女モノ(名前伏せてたのに言っちゃった)のくだりだった。あの時は慌てすぎてそこまで気が回らなかったから気が付かなかった。

「……でも頭に損傷はなかったし……強いショックを受けたとか…？」

『あの、記憶障害ではないと思うんでそんな真剣に考えてもらわなくても大丈夫ですよ……』