【鬼滅の刃】声が出ない少女と鼻が良い少年のお話【竈門炭治郎】

参拾肆，笑顔＿＿＿ ページ41

. 炭治郎side .





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初めて君の涙を見た





花のように凛とした佇まい




蝶のようにヒラヒラと身軽に動く姿





太陽のような笑顔で周りを明るく照らし






一際輝く星の様に皆を虜にする





笑顔が耐えず、ダメなことはダメと叱ってくれる。



強い子だなと思った。
いや、思っていた。



実際はそんなことはなくて、ちゃんと年相応の女の子だった。
大粒の涙を流す君を、必死に零れ落ちる涙を止めようとする君を＿＿









「擦らないでくれ…赤くなって腫れてしまう。」









気づいたらその手を取っていた。
別に手を取らずとも声をかけるだけできっと君は辞めてくれるはずなのに、背中を擦るだけで君は笑顔でありがとうと言ってくれるはずなのに









「俺が…君を絶対に笑顔にさせる。君を絶対に悲しませたくない…。」










『……？』








「君には笑っていて欲しい！笑顔が素敵だから！君の事を放っておけない！」








『………！』














「俺が、君の声を取り戻したい…力になれることがあるなら言って欲しい…！でも、君のやりたいことは俺は尊重したい！」







『……っ』






そんな事を考えている間に擦る手を取っていた手は両手でぎゅっと握り締めていた








「……！ご、ごめん！！！」













「例え歳が近くて仲がいいとはいえ無断で女の子の手を力強く握ってしまった…！」





どうしよう……！！Aは男の俺とは違って華奢だ。
それに、嫁入り前の淑女に簡単に触るだなんて、恥だ……！申し訳ないことをしてしまった！！！








『ﾌﾌﾌｯ』









「…！」












『………。……。…………』
「"大丈夫。痛くないよ。ありがとう"」






先程辛そうに泣いている彼女とは思えないくらいに優しく微笑む君に
胸の辺りがキュッと締め付けられた。








この苦しさは




この息のしずらさは








まだもう少し先に分かるのだろうか。

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